第十三話 序戦その1〜対峙〜
ヴィーストは遥か昔の生き物だ。弱体化し、死頭矢不練にヴィーストの因子として宿る。
昔。人類誕生の前、そうニレルゼ誕生以前に誕生する。
ヴィーストは地球があった次元とは別の次元にあったある星で生まれた。
悪魔星という、現在の地球とは別の種類の悪魔が星を支配する星。ヴィーストなどの悪魔ではない生物は支配される側――つまり奴隷に近い地位だった。
ヴィーストは悪魔星が滅びる5年前に生まれる。
父も、母も、兄弟も、何もない。
誰もいない。
ヴィーストは孤独だった。
4年後、地球ではニレルゼが生まれて2億年後にニレルゼは悪魔星のある次元に【転移】する。やがてたった1年で次元は滅びる。
悪魔は滅び、ヴィーストの同種の生物も絶滅に近づいて悪魔星はヴィースト含め、数千人程度へと減少する。
その者たちは“転生神”スロルの慈悲によって転生していく。
しかし、ヴィーストは転生しなかった。理由は単純にして明快。
死んでいたから。
ヴィーストはスロルが悪魔星の生物を転生さしていく時点でもう死んでいた。
ヴィーストの魂は自然へ還る。
そうなるはずだった。
だが、ヴィーストは奇跡を体験する。
魂が転生したのだった。
ヴィーストはこの世を呪った。
その呪いはヴィーストの魂に刻まれていた。
意識がない状態が続く。
転生される際に意識は全て回復しが、ヴィーストは意識の回復を優先したので無空間へと飛ばされる。
意識は普通魂に刻まれない。しかしながらヴィーストの意識は魂に刻まれている。これはこの世の規則から外れている。
そのため、次元が滅びたせいでもあるのだが、約27億5000万年もの間無空間で過ごしていた。無空間では転生が少しずつ行われていた。
本来無空間で魂を肉体に宿したまま転生するには30億年必要だった。
ヴィーストは決断する。魂のみ転生することを。ヴィーストは肉体を全て放棄したのだった。
ヴィーストは地球に転生する。薄れゆく意識の中、自分の因子がひとりの人間に宿ったことを直感する。それが死頭矢不練だった。
間ですがかづっぴです。このヴィーストの話は番外編です。ここからが本編ですのでどうぞお願いします。
地球上最強にして絶対的な存在、エスドル。
エネルギーの波から観測されたEPは4000000と、現在のヴィーストを凌駕する。
それなのにエスドルは自分のEPの1%に満たぬエネルギーしか放たなかった。
エスドルのEPは5億6970万0000。並の神など足元にも及ばない。
『ハンッ、面倒なことになったな』
「でも帰ってったぞ」
『続けるか?』
「やだね」
さらに後方へと退いていく。九州で全てを終わらせるために。当然、多田も連れて行く。
『次のエスドルの出現地を推定します。……場所は九州南部です!』
衝撃の報告。こうなると九州で混戦が起きるのでは……。
九州は広いので比較的戦いやすい。
しかもエスドルという絶対的な破壊者もいるので戦場は広いほうがいいだろう。
九州が沈むかもだけど……。まぁその時はその時だね。
エスドルは地球が転生したその日に日本、群馬県で生まれた。神獣は魔物を統べる魔物で現在は12体存在する。
神獣は死んでも死なない。魔物の種類が一定以上存在する限り滅びることはない。対処法は魔物を絶滅させていき、さらに神獣を殺すしかない。このように桁違いのエネルギーと不滅であることにより神獣は地球上最強として君臨し続けてきた。
「多田、出来るだけエネルギーを減らしておくぞ!」
「了解だ、成川も三河も糸井も行くぞ!」
「言われなくても」
「わかっとるわ」
「わからないわけがないだろう」
俺の問いに4人がそう回答する。そして対個人用魔法を使用する。
「〈連雷撃〉!」
「〈閃光砲〉!」
「〈七属性七連打〉!」
「〈青白光打〉」
そして俺はその魔法の延長線上に立つ。
「【混食】!」
そして俺は魔法を食う。
ヴィースト、融合するぞ!
《は?無理――》
うっせぇ!というかグラルの見てたらわかるだろ!
《めんどくさ!》
発動――【融合】!
勝手に能力を創り、一つにまとめる。それぞれ別のエネルギー、自色気なので融合反応が起こる。
「【還元】!」
そのエネルギーを放射する。
『無駄だ、【膨張結界】!』
しかし、エネルギー密度が上限を超え、爆破し、空間ごと破壊した。
そしてその攻撃はスクエズラに届く。スクエズラは双剣を両方とも投げる。
そしてすぐに腰につけていた[膨崩細剣]を抜き、突いてきた。
取り敢えず双剣を食って細剣を弾く。
「どこに隠し持ってたんだよ⁉︎」
『どこでもいいだろ』
「まぁな。あ、あとさっきの双剣ありがと」
『あげた覚えなどない。殺して奪ってやる』
やってみろよ!と思いつつ言葉には出さない。無駄に煽ってやられたら最悪だからな。
『〈膨崩連斬〉』
刀で受け止めようとするが、空間の膨張で細剣に触れられない。その間を連続爆破するという武器破壊用技だ。
こんな時のために魔流刀に【結界】を付与しといてよかったぁ。今は何とか乗り切れそうだな。
「忌々しい、潰れて消えろ!」
スクエズラの側近かつ妹であるクエズラは低い声で呟く。
「やだね、〈七属性七連打〉!」
七属性の七段式銃撃がクエズラを襲う。【結界】を使うが、耐えきれない。
「神滅魔法〈氷瀑凍結華〉」
地面から伸びた氷柱は多田達の浮いているあたりまで伸びる。その先端には蕾があり、一瞬で開花する。神秘的かつ美しい華だった。
それは多田や成川を氷漬けにする。その一瞬で甚大な被害が出る。
死者42名
重傷者3名
軽傷者1名
無傷だったのは糸井、成川、多田の3人のみ。
軽傷者は三河のみだった。
「クソが」
糸井が呟く。
そして自色気を刀に付与し、斬りかかる。しかしクエズラは氷の槍でその刀を受け流す。
糸井は慎重な男だった。だからこそ斬ったあとは離脱していた。
しかし、クエズラはこの短い時間でその性格を読み取り、対策した。
離脱した糸井を追跡し、攻撃をし続けていく。
「邪魔だ、〈青白光打〉」
「効かない。諦めなさい」
実際、クエズラにダメージははいっていなかった。【結界】で守っているのだ。
能力を使用しているのでノーコストだ。
「糸井に手を出すなカス!」
多田と成川は同時にクエズラに攻撃を仕掛ける。
クエズラの動きが少し遅れる。
三河はそれを見逃さない。咄嗟に〈七属性七連打〉を撃ち込む。
次は4人の猛攻が始まるのだった。
こんばんは、かづっぴデス。めっっっっちゃ投稿遅れました。すいません。(テスト期間だったから許してね⭐︎)




