第九話 訓練事変その3 〜激怒と制裁〜
(な、なんだ。この力はなんだ?ゾルティー様の力を圧倒するというのか⁉︎)
「死んだか?」
『よくやったな、緑井!』
「あざす、クレーバーさん」
プチっと通信が切れる。失礼なヤツだな。そんなことはさておき、あいつは死んだのか?
《多分、そうだ》
「ウ、ウォーーーー‼︎助けてくれぇーー!ゾルティー様ぁぁ!いや神でもなんでもいい!魔王でも悪魔でも天使でも精霊でも魔物でも魔人でもなんでもいい!だから、助けてくれぇぇ!」
その瞬間空が赤く染まり、赤黒いエネルギーの渦と共にとんでもない魔力を誇る存在が降臨する。
『いいだろう。この俺様の力を少し貸してやろう。この“地獄神”グライヴァルに感謝するのだな。』
また神かよ……。一体何体いるんだ?
『二字熟語の数だけいると思っとけ。ほんとに何体もいるからな』
白鳥神とかでもいるのかな?まぁいっか。とりあえずこの状況をなんとかしないとな……。
「ゾルティー様……まだ私に力をくれるのですか⁉︎地獄の力と炎の力を手に入れた私は最強だ!地獄の炎と共に貴様らを地獄に叩き落としてやるわ!焼かれ死ね、〈地獄の業火〉!」
白装束の周囲500メートルが地獄の炎に焼かれ、消え去っていく。森を覆い尽くす程の範囲なので隊員も多くが燃え尽きただろう。森を確認したが、1000人はいた訓練生は50人程度となり、隊員500名も、100人程度へと……。いや、確認するまでもなかった。俺は糸井やグラル、を覆えるくらいの【混食】のエネルギーの壁を3重で、【結界】を5重で張っていたので無事だったのだが、森は跡形もなくなくなり、地面も半球のようにえぐれていた。耐えられたのはクラーバーさんや多田、成川、三河などだ。
――どうしてこうなった?
――耐えられたのはこれだけか?
――俺は何をしていた?
――アイツらは無事なのか?
――俺は何故動かない?
――どうして、どうしてだ?
――誰のせいでこうなった?
――俺のせいじゃない、白装束のせいだ。
――それは本当か?
――俺のせいなのか?
――俺が白装束を手っ取り早く倒していれば
――全部ヴィーストに任せておけば
――グラルに任していれば
――最初にふざけていなければ
――最初から本気を出していれば
――俺がここへ来なければ
疑問や自責の念が俺の心を埋め尽くしていく。
――怒り――
その疑問や自責の念はその感情へと置き換わっていく。
静止している俺の横で糸井が青筋を立てていた。怒っているのは俺だけじゃないんだ。もうこんなクソ野郎は――
「殺す――」
そう言って翼を出して宙を舞う。白装束の上空で静止する。
「死ね――」
「あぁん?俺とやる気か⁉︎」
「俺を激怒させたこと――」
「〈地獄の業火〉!」
「俺の仲間を殺したこと――」
「死ねぇぇぇ!」
「全てを――」
「うぉぉぉ!」
「後悔させてやる――」
「グラル――」
『?』
「力を貸せ――」
そう言って俺はエネルギーを解放する。ヴィーストのエネルギーも、今まで食ったエネルギーも、
「これで終わりだ――」
グラルのエネルギーも。
「〈混沌の解放〉――」
それは今まで貯めたエネルギー全てを解放し、対象を混沌で埋め尽くす能力だ。白装束を含む空間は焼かれ、凍てつき、魔力で埋め尽くされ、霊力で崩壊させられ、今まで食ってきた魔物の全部能力で崩壊していく。エビルドルに入隊した日の夜に考えた広範囲殲滅攻撃であり、対個人用破壊攻撃でもある最強の必殺技だ。
「な、なんだぁ!コレわぁ!」
そしてその身を滅ぼし、ボロボロになった白装束が倒れ込む。
「死んで詫びろ――」
〈混沌の解放〉の力を刀に流す。そして白装束に斬りかかる。
「グァァー!」
真っ二つとなった白装束。うめき声を無視して手足を切っていく。
「発動――【混食】」
そう言って白装束を食った。
「クラーバーさん、ゴミ掃除は終わりました」
「そ、そうか。あぁそれと、その白装束の仲間を尋問したんだが、そいつらは九州の反逆グループだったらしい」
「……。そうですか。俺の怒りはまだあります。コレだけじゃ足りない。その九州の奴らを――潰す」
そして俺はエビルドルの本部へと向かう。
こんにちはかづっぴです。あぁー、クソねみぃー!時間がないので短編です。この話を書きたかったから第零話投稿から構想を練っていて、第八話を書き終えた頃からから『どうしても今日中に書きたい!』と思っていたのです。
……………………カミングアウト……………………
実はこの小説は1年間の妄想によって作られ、第零話投稿の五ヶ月前には僕の頭の中では完結しているのです。なのでペースは少し早めです。
「1年間の重みをしれ!」
この後書きも、この間も、全て尺稼ぎです。




