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短編とかその他

白の蝶と黒の蝶と人々

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところに、仲の悪い蝶々がいました。


 白と黒の蝶々の二匹です。


 白の蝶は綺麗に舞う蝶。


 美しい舞をみせる蝶は多くの人から愛されていました。


 その舞は人々の気持ちを楽しくさせる、魔法の舞です。





 そして、色が違う黒の蝶。


 その蝶も綺麗に舞う蝶です。


 けれど、その世界で黒は不吉を呼ぶ色だとされていたので、人々は遠ざけていました。


 その舞が人々の気持ちを悲しくさせる、呪いの舞という点もあったからでしょう。


 二つの蝶は魔法をかけようとも、呪いをかけようとも思っていません。


 ただ舞を舞いたいから、舞っているにすぎないのです。






 だから変わらない舞なのに、人々にちやほやされる白の蝶の事が黒の蝶は嫌いです。


 黒の蝶は白の蝶に嫉妬していました。


 そのため、ある日我慢の限界を迎えた黒の蝶は、白の蝶をだまして、美味しい蜜のある場所を教えました。


 すると、その場所をおとずれた白の蝶は、おそろしい動物におそわれて死んでしまいました。


 多くの人が悲しみましたが、黒の蝶は満足します。


 そのあと、綺麗な舞を見せる蝶がいなくなった事で、人々は蝶というものに対する関心をうしないました。


 それと同時に、黒の蝶を見てくれる人も誰もいなくなりました。





 しかし、黒の蝶はそれでかまいませんでした。


 上を見上げるから辛いのだと、黒の蝶は考えます。


 だから上がなければ辛くない。


 それから黒の蝶は心穏やかに日々を過ごし続けました。


 黒の蝶だけが穏やかな気持ちで。




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