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(93)黒髪が大嫌いになった伯爵令嬢


慌ただしくて濃いい数日間だった。



そして、また失恋した。同じ人に。

しかも目の前で、逢い引き現場を思いっきり見てしまった。


絵画のように美しくお似合いの二人だった。


笑顔だったアルフォンス様。


悲しい。

苦しい。

辛い。


素敵な映画みたいに二人で見つめ合って、腕を組んで寄り添って歩いていた。


なんだ。

ただの相思相愛のお似合い婚約者じゃない。



………ん?ちょっと待って。

よく考えたら、めちゃくちゃ酷くない?


あの夜のアルフォンス様の言葉は何だったの?



『………クリス。私は必ず貴女をお迎えに参ります』


『絶対に、貴女を誰にも渡さない』




あ。そうか。

ただの嘘、だったんだ。


騙された!!

やっぱり愛人にでもしようと思ってたんだわ。

14歳の少女を!中身は40歳超えてるけど!


ほんっとに最低だ。

あの最悪黒髪ロリコンタラシ野郎!

人を嘘つき呼ばわりして、本当の嘘つきは自分じゃないの!!

やっぱりイケメンは最っ低!!大っ嫌い!!


ついでに、黒髪なんて、だーーーいっきらい、だああああ!!!




はあはあはあ。


なんか、つ、疲れた。




あ。



そうだ。



お嫁にいこう。




そうしよう!


普通の真面な男性にお嫁にもらってもらおう。

あんな最低ヤローのために、これ以上泣いてる場合じゃない!

そんな涙も時間も、もったいないわ!!


よおっし!そうとなったら、いざっ!!





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