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(92)屋敷に戻った伯爵令嬢


やっぱり自分の部屋は落ち着く。



超豪華な王宮のお部屋も大変素晴らしかったけれど、やっぱり私には分不相応だ。


私を五日間も王宮に滞在させた意図がよくわからないサイファー王太子殿下には、お部屋を出る時に手紙を置いてきた。

屋敷に着いてからもう一度、素晴らしい経験をさせて頂いた御礼と感謝の気持ちを書いて送った。


デビュー後の舞踏会等で遠くからお見かけする事はあるだろうが、もう直接お会いする機会は無いだろう。




王宮図書館であのショックな場面を見た後、客室に戻った。

どうやって戻ったかは余り覚えていない。

気が付いたら客室にいた。

少し様子がおかしい私の心配をする優しいメリーナにも申し訳無いけれど部屋から出てもらい、一人で声を殺して泣いた。


ひとしきり泣いた後、お父様に『ひとり娘の事をお忘れか?もしくは見限られたか?今すぐ迎えに来ないなら、このまま修道院に直行します』と手紙を書いたら、すぐに大慌てで迎えに来た。

驚いた。すぐ迎えに来られるんじゃない!

ほんとどういうことよ?



サイファー王太子殿下には『一身上の都合により帰宅します』を主文に、これでもかと御礼を書きなぐった手紙を部屋に残して、さっさと客室を出た。


メリーナや執事の方々には止められたけれど、お世話になった御礼を言って振り切ってきた。意外とすんなり帰れた。


何でもっと早く行動しなかったんだろう。物凄く悔やまれる。




やっと屋敷に戻ることが出来て、心底ほっとした。


屋敷の玄関に着いた途端に、我慢していた涙がまた溢れ出た。

それを見て大パニックになった両親と屋敷の者達に囲まれて更に止まらなくなった。


つられて泣き出したお父様とお母様に謝られながら抱きしめられ、屋敷の者達まで泣き出して、現場はまさにカオスな状況となった。




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