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(90)窓から見えた光景


サイファー王太子殿下に事後報告のお泊まりをさせられて、今日で既に五日経っていた。


当初は四日後にお父様が迎えに来るという話だったのに、未だ来ない。

手紙を書いたら『承知した』だけで、再度手紙を送ってもその後音沙汰が無い。

全く承知してないじゃないの!

ウザいくらいに溺愛してたひとり娘の事忘れてる!?



サイファー王太子殿下は、昨日お着きになったらしい外国の御客様の対応があるらしく、昨日からお会いしていない。

『もう帰ります』と御礼と共に伝言を送ったら、『明日には時間が空くから必ず待つように』と、王子様然りの見た目を裏切る力強い筆跡の手紙が届いた。


その手紙を見なかった事にして辻馬車で帰ろうかしらと、メイドのメリーナに囁いたら、手紙を届けて下さった若い執事に『私を見殺しになさるおつもりですか』と血走った目で言われた。

帰られなくなった。



国王陛下と王妃殿下には、結局まだお会いしていない。

よかった。本当によかったー!

そんな最強ラスボスお二人に、こんなただの小娘がお会いしてどうする?

無理だ。絶対ムリムリ!

このまま何とかお会いせずにお開きになりますように!と、朝晩祈るのがここ最近の私のルーティンだった。




アルフォンス様とは、あの深夜の訪問以降はお会いしていない。



『………クリス。私は必ず貴女をお迎えに参ります』


『絶対に、貴女を誰にも渡さない』



去られる直前の、あの言葉。

今でも思い出すと胸がドキドキする。

低いアルフォンス様の声が頭から離れない。



王宮図書館の奥の窓際の椅子に腰掛け、本の字を目で追いながらも、頭はアルフォンス様とのあの夜の事を考えていた、その時。




「うふふっ。アルフォンス様、嬉しいですわ!」




少し開いた窓から、可愛らしい声で今まさに自分が考えていた人の名前を呼ぶのが聞こえた。



『えっ?アルフォンス様?………っ!………………………』



窓から庭を見て、固まった。



アルフォンス様が美しい女性と歩いている。



アルフォンス様は、楽しそうに微笑んでいた。











※昨日のアクセス数が、も、も、ものすごい事になっています!

一日で19000件!?数字を見て、モレそうでした。

読んでくださる全ての皆様、本当にありがとうございます!!




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