表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/130

(79)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(30)


仮ではあるが婚約が決まった。


相手はリリアンヌ王女になった。


マキシム国に忍ばせている諜報部員から、ジョアンナ王女が妊娠しているとの報告があった。

相手は国内の下級貴族で既婚者との事だった。

あの舞踏会での誘い方が異常に()いていたのが頷ける。

まんまと上手く使われるところだった。


現実は自分の描く未来とは全く逆の方向に進んで行く。


だが、自分は必ずクリスとの婚約を実現する。

一日も早く、マキシム国とグスタフ共和国の和平条約を結ぶために動く事を決めた。



帰国後、両親に全てを説明した。

難しい表情で受け入れた父とは違い、最後まで母は怒り、泣いて反対していた。


ラファイエリ伯爵にクリスとの仮婚約の解消の話をするため、

クリスが外出している間に伺いたいと先触れを出した。

今、クリスの顔を見てしまったら、自分の決心が鈍ってしまう。


父と共にラファイエリ伯爵の屋敷を訪問した。

詳細は言えないが、両国王陛下の命によりマキシム国の王女と婚約をすること、しかし少なくとも二年後には解消し、必ず再度正式にクリスとの婚約を申し込みに来るので待っていて頂きたい旨を話し、頭を深く下げた。


突然の話に伯爵夫妻は驚いていたが、何か理由があると察して了承してくださった。

本当に頭が下がる思いだった。



クリスの暮らすこの屋敷にも当分来ることはなくなる。

意見交換会も暫くは延期になる。


本当はクリスに会いたかった。

会いたくて仕方がなかった。

だが、仮とはいえ他の女性と婚約をした自分は、今あのクリスの美しい碧い目を真っ直ぐに見ることができないと思った。


情けなくて悔しかった。

己れの無力を思い知った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ