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(77)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(28)


我がブラーム国としても、友好国のマキシム国がズフタス共和国に侵略されると大変不都合であった。


我が国もマキシム国から大量の農作物を輸入し、資源の無いマキシム国に原油や石炭等を大量に輸出していた。

ズフタス共和国とは今のマキシム国との様な信頼性のある貿易取引の関係を築く事はかなり難しい。


この縁組を受けると、我が国はマキシム国に更に大きな貸しが出来る。


ここで通常なら、我が国側の縁談相手がサイファー王太子殿下になるところだが、それは不可能だった。



ジョアンナ王女は数年前にマキシム国を訪れたサイをかなり気に入ったが、サイは全く靡かなかった。

寧ろ、夜中に夜這いをかけてきたジョアンナ王女にサイは大激怒し、それを知ったシン国王も平謝りだった。

その為、我が国はマキシム国に対してかなり優位な立場で交渉が出来るようになった。

その辺りも計算の上、ジョアンナ王女をわざと泳がせた抜け目の無いサイは、今回のマキシム国訪問を直前に取り止め、自分に押し付けた。

これも陛下のお考えという可能性もある。

何もかも全て把握済みで、自分は上手く使われたんだろう。



話を聞くほどこの縁組を断ることが出来なくなり、自分は追い詰められた。

自分に拒否できる術は、初めから無かった。


クリスとの距離が離れてしまう恐怖を感じた。

少しでもその距離を縮めるために、今自分が出来ることをやるしかなかった。





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