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(75)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(26)


通された応接室には、シン国王陛下と側近のルベルテ宰相が待っていた。


シン国王は陛下より少し年下との事だが、陛下の方が猛々しく若く見えた。白いものが少し混じった黒髪を後ろに流し、焦げ茶色の瞳は何処と無く不安げに見える。やや細身の身体を落ち着きなく小刻みに揺すっていた。

一国の王がこの様な弱気な態度を見せて如何なものかと心配になる程だった。

我が国の陛下はその姿に見慣れているのか、呑気に茶を飲んでいる。


そのシン国王の隣で、ルベルテ宰相は影のように付き添っていた。



不安な様子のシン国王がぽつりぽつりと話し始めた。



先頃、大陸の北端の国のズフタス共和国がマキシム国に縁組を申し込んできた。


ズフタス共和国は幾つかの小国が一つになって出来たばかりの国で、未だ内情が不安定であった。


最北に位置する広大な国土は、一年の半分は雪に覆われる。

更に、内戦後未だ荒れたまま手付かずの土地も多く、作物が思うように採れなかった。

慢性的な食糧難に国民の多くは疲弊していた。

そこでズフタス共和国が目を付けたのが、マキシム国だった。


マキシム国の漁業で採れる豊富な魚介類や、高度な技術力により一年を通じて安定して採れる農作物を狙っていた。


マキシム国のシン国王は、ズフタス共和国のザイール国王から息子のガイア王子とジョアンナ王女、もしくはリリアンヌ王女との縁組を打診された。

王家同士の縁組によりまずは繋がりを作りたいというズフタス共和国の思惑が見える。




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