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(73)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(24)

※少し、変更しました。





『アル、ジョアンナ王女とリリアンヌ王女をどう思った?』

『………ジョアンナ王女は華やかで自信に満ち溢れた御方だと存じます。

リリアンヌ王女は控え目で、清廉な雰囲気をお持ちだと』

『そうか。どっちが好みだ?』

『………仰る意味がわかりかねますが』

『誤魔化すな、アル。これは正式な縁組の話だ』

『………』

『どちらの王女もお前を気に入ったんだそうだ。

特に滅多に自分の希望などを言わないというリリアンヌ王女が、お前とぜひ結婚したいとはっきりと言ったらしい。娘の希望を是非叶えたいとシンが興奮しながら言ってきた』

『………陛下。マキシム国王に即時、お断りの御返答をお願い申し上げます』

『何故だ?いい話だろう。確かにジョアンナ王女は癖がありそうだが、リリアンヌ王女は大人しくて可愛らしいじゃないか』

『では、サイにお勧めされたら宜しいかと』

『サイは駄目だ』

『何故?』

『まあ、色々と考えている』

『………』

『アル。好きな女性がいるのか?』

『………我が妻にすると、心に決めた女性がいます』

『ラファイエリ伯爵令嬢か?』

『っ!?…………』

『俺が知らないとでも思っていたか?ふふっ。俺も見くびられたものだな』

『………いえ。きっと御存じだろうとは思っていました』

『可愛い甥っ子の事は気になる。それに、俺の趣味を忘れたか?』

『………いえ』

『クリスティーナは馬丁姿の俺にも優しく接してくれたぞ?あれは本当の優しさだな。笑顔も可愛い。しかもとびきりの美少女だ。アルもなかなか見る目があるな』

『………陛下、いい加減、変装の御趣味はお控えにならないと王妃様が……』

『エリーザは王宮内なら目を瞑ってくれる!だか、この趣味のお陰でマキシムでシンとも知り合えたしなあ』

『御命、いくつあっても足りません。いつも父が心配して嘆いています』

『フェリクスは昔から心配症なんだ!だから今は国内で我慢している!……はっ!』

『陛下。王宮内だけで我慢なさってください。さもないと、エリーザ様にお伝えしますよ』

『うっ!………わかった。善処する』

『………ですので、マキシム国王女との縁組はお断りいたします。ラファイエリ伯爵令嬢との件は、かなり前に父とラファイエリ伯爵の許可を得ておりますので』

『だが、まだ仮の婚約らしいな?等の本人の令嬢が知らない内密の』

『!………はい。ですが』

『あの娘、なんだろう?アルの知識の源は』

『………』

『あの賢く優しい、とても美しい娘を、俺もかなり気になってなあ。一度じっくりと話したいと思っている』

『陛下!』

『あと数年待てば16歳か………サイとはまあ、大丈夫だろう』

『陛下っ!お待ちください!!』

『控えよ、アル』

『はっ!………失礼いたしました』

『……まあ、慌てるな。お前がラファイエリ伯爵令嬢にどれだけ惚れてるかはわかった。ひとつ、お前にチャンスをやろう』

『!………』



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