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(69)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(20)

会いたくて会いたくて仕方がなかったクリスが、少し痩せていた。


慌てて体調を尋ねるが、優しいクリスは逆に自分の事を心配してくれた。

確かに自分は少し痩せたかもしれないが、クリスに会えた瞬間に体調は良くなった。


気持ちが溢れて思わず抱きしめた。

何度も夢に見たクリスの良い香りに、そばにいてと自分の心の声が出てしまった。

クリスは初めて自分を抱きしめ返してくれた。

嬉しくて胸が苦しくて、更に腕に力が入ってしまった。



クリスは自分を気遣い、何か出来ることはないかと素晴らしい『チャンス』を二つもくれた。


美しい碧い目をキラキラとさせながら、自分の返答を待つクリスに胸が苦しくなり、また抱きしめてしまいそうになる。

その場は耐え、その代わりにクリスの可愛い手を取り小さな桃色の貝殻のような爪の先にキスをした。


途中、気持ちが溢れて少し取り乱してしまったが、

必ずアルと呼んで欲しい、何があっても私のそばにいて欲しいと、自分は二つの願いを心から伝えた。



クリスはそばにいると約束してくれた。

嬉しくて礼を言った瞬間、

『アルが………奥様をお迎えするまで、おそばに、いますね』と、言われた。



意味がわからない。

自分が妻を迎えるまでそばにいるとは、どういう事だ。

自分の妻になる人はただ一人、クリスだ。

今、目の前にいる。



更に追い討ちをかけるようにクリスは続けた。




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