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(59)◇ 誰にも渡さない(アルフォンス視点)(10)


両親が想像以上にクリスを気に入ったのは、嬉しい誤算だった。


母に『クリス用の部屋を作れば、クリスがもっと長時間滞在するかもしれない』と囁くと、母は早速父にお願いをした。

母の望みを完璧に叶える事が生き甲斐の父は、物凄いスピードでクリスの休憩室を整えた。

休憩室を見て大喜びした母を抱き締め、父もかなり満足していた。


部屋はクリスの安全の為にと自分の部屋の隣室にしてもらい、

いざという時にすぐに駆け付けられるようにと、

部屋の間の壁をぶち抜いて新しく扉を作るように父に頼んだ。


ニヤリと笑った父に『クリスの伯爵令嬢としての立場は護れ。それ以外は許す。他の奴には絶対に獲られるな』と、背中を押された。


翌日帰宅すると、真新しい扉が出来ていた。



母はクリスの休憩室を本当に楽しみながら仕上げていった。

自分の意見は全く受け入れられなかったが、

部屋の間の扉は付いたので良しとし、

クリスの部屋を(ととの)えるのは結婚後の楽しみにすることにした。


騎士団の遠征先の町の雑貨屋で、

クリスに似合いそうな室内履きを見つけた。

この白くフワフワとした室内履きなら華奢なクリスの足を護るのにぴったりだと思い、休憩時間に早速買いに行った。

クリスにドレスや宝石を贈ろうにも母から貰い過ぎていて、自分からは一切受け取ろうとはしない。

この室内履きなら使ってくれるだろうと期待した。

周りの同僚が(はや)し立てるが気にしない。


ラファイエリ伯爵家に忍ばせている者から伯爵夫人の好みの家具を聞き、夫人が寛げる椅子も購入した。


クリスの休憩室は完璧な仕上がりだった。



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