(43)サイファー王太子殿下との夕食(4)
向かい側に座っていた殿下がいきなり立ち上がり、
前のめりでクリスティーナを見つめる。
その勢いに驚き、椅子に座りながらも思わず仰け反った。
殿下の傍に控えていた執事が、
倒れそうな殿下の椅子の背にサッと手を添えた。
流れるような所作に思わず目を奪われかけたが、今はそれどころではない。
目の前の殿下の圧がスゴい。
「素晴らしい!君はアイディアの宝庫だ!
なぜまだ14歳なのにそんなアイディアが沸いてくるの?」
「あ、あの、本が大好きで、王宮図書館の本をたくさん読ませて頂いたお陰です。他国の本もとても興味深くて……」
「だから、今日も図書館にいたんだね……。
クリスティーナ、もっと沢山話がしたい。
君と話していると本当に楽しいよ!ああ、今夜はなんて素敵な夜なんだ!
そうだ、クリスティーナ、今夜から三日間、城に泊まる事になってるからね」
「えっ!?泊まる!?三日間、ですか!?」
「そうだよ。ラファイエリ伯爵にも許しを得てるよ。
四日後に伯爵が迎えに来るから、それまであの部屋に泊まって欲しい」
「そ、そんなっ!無理です!」
「大丈夫。陛下にも許可を頂いているよ。安心してね」
それは事後報告という。
そして、全く安心出来ない。
何だか非常にヤバイ状況になってる!!
こうして私は三日間、王宮にお泊まりする事になった。




