(42)サイファー王太子殿下との夕食(3)
それから私は殿下とたくさんお喋りをしながら、
緊張しながらも美味しくて楽しい夕食を頂いた。
久し振りにたくさん食べた気がする。
たまたま王宮の庭の話になり、
ライトアップが綺麗だったと感想を言った流れで、
街や村も、もう少し街灯や木々をライトアップすれば、
夜でも明るくなり防犯上にもよろしくなるかもと話した。
ふと殿下を見ると、碧い目を大きく見開いてこちらを見ていた。
澄んだ湖の様な美しい碧色に吸い込まれそうになる。
「あ、あの、で、殿下?」
「………クリスティーナ。うん、そうだね。
何て素晴らしいアイディアなんだ!うん、そうしよう!
我が国には売るほど油がある。
街や村をもっとランタンで灯して、夜でも明るくして防犯に役立つ………なんて素晴らしい事だ。何故今まで気付かなかったんだろう!」
「は、はい。あ!………」
「何か他に、アイディアがあるの?」
「た、例えば、ですよ?
来月の満月祭のような、夜のお祭りの時などには、盛大に明かりを灯す場所……例えば、巨大な灯りのシンボルの様な物を作ると、珍しくてそれを見たさに毎年地方や他国からも沢山観光客が増えて、それに伴って宿泊施設や飲食店やお土産物屋さんや移動手段の馬車なども潤う可能性があります」
「!………なるほど」
「更に、ランタンの安全性や火の持続性を上げてそれを売り出し、
我が国の産業にして輸出の規模も増やせば、ランタンの使用が増えると油の輸出も増えるかもしれません」
「なんと!」
「火を扱う商品ですから、とにかく安全で良い製品を作ることが大切です。それを成し遂げればランタン関連企業も潤うかもしれません。
ランタンをもっと研究して、大小色々なランタンを作って販売し」
「クリスティーナ!」
「きゃっ!」




