(38) ここ、王宮!
『あれ?この天井……ここ、何処!?』
ぱちりと目が覚め、
がばっと起き上がると、頭に強い痛みが走った。
「痛った!!」
頭を手で押さえて暫くじっとしていると、
だんだんと頭痛はマシになった。
「痛かった……。って、ほんとにここ何処!?
私、王宮図書館にいたはず………あっ!!」
『そうだ。私、確かサイファー王太子殿下と王宮図書館で会って、
なんだかよくわからない内にめちゃくちゃ泣いて……。
で、どうしたんだっけ?』
周りを見渡すと、ものすごく豪華な部屋だった。
何だかものすごく嫌な予感がする。
自分の服装は……見たことがない豪華な夜着だった。
着心地も肌触りも最高だ。
『パンツは……もう、見ないでいいや』
自分の身体には異変を感じなかったので安堵し、
天蓋ベッドから降りた。
バルコニーに出られると思われる大きなガラスのドアに近付き、外を見た。
ガーン!と、
漫画の様な効果音が頭に鳴り響いた。
見覚えのある王宮の庭の景色が、
暗闇の中、灯されたライトに照らされ浮かび上がっている。
やばい……。
こんなに恐ろしいライトアップの景色を見たのは初めてだ。
「やっぱり。ここ、王宮。私、やっちまったのかも……」
窓辺に佇み、放心状態で固まっていると、
ドアが控えめにノックされた。




