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(37) サイファー王太子殿下との出会い(3)

☆一日のPVアクセス数が初めて3000を超えて、驚いてびびっております。

こんなにたくさんの方に拙作をお読み頂いて本当に嬉しいです。

ブックマークをしてくださった方、評価ポイントを押してくださった方、本当にありがとうございます!



「っ!☆$@★々*!?」

「あはは!大丈夫だから、じたばたしないでいいよ」

「!………」

「そんな、目を腫らすまで泣いて。

今も止まらないんじゃ、まだ泣き足りないんだね。

一度思いっきり泣いて、スッキリしていいんだよ」

「………」

「ここまでは殆ど誰も来ないよ。だから安心して泣いていいんだよ」

「………ふっ、ふぇっ……うわーん!えーん!えーん!」

「そう。それでいい。よく、がんばったね、クリスティーナ」



ただ泣いていいと言われて、涙腺が崩壊してしまった。


サイファー王太子殿下に抱きしめられ、

頭を撫でられながら14歳の私は子供のように号泣した。



前世を知りながら生まれて来た不安と恐怖、

フレデリーグ公爵夫妻の死の大きなショック、

アルフォンス様への失恋、

ずっと我慢し続けてきたことや、まだ見ぬ将来の不安や色んな事がごちゃ混ぜになって爆発し、ただただ声を上げて泣いた。



あろうことか、

私は泣き疲れてそのまま眠ってしまった。





「………殿下」

「んー、ああ、アル?」

「………これは、どういう事ですか」

「うん。この可愛いお姫さまが起きちゃうから静かにしてね」

「………私がお連れします」

「いいよ。僕が連れていくから。

僕の部屋から一番近い客間を準備するように伝えて」

「っ!?」

「アル?どうしたの?早く、頼むよ」

「………」

「あと、ラファイエリ伯爵にも伝えて」

「………承知しました」



椅子に座っていたサイファー王太子殿下は、

自分の膝の上でぐっすりと眠っている私を横抱きで抱き、

軽々と立ち上がった。



「ん………」

「っ!」

「くすっ。本当に可愛い……妖精みたいだ。

眠っているからわからないかもしれないけれど、

このお姫さま、瞼がパンパンに腫れるくらい泣いていたんだよ」

「っ!?」

「僕の胸の中で子供のように泣きじゃくって……。

何があったのかは知らないけれど、僕が護ってあげたくなったんだ」

「サイっ!」

「しっ!大きな声を出したらお姫さまが起きちゃうよ。

アル、じゃあ、ラファイエリ伯爵に必ず伝えてね。

今夜はこっちで預かるからって。

ああ、やっぱり三日間くらいは王宮にいてもらおうかな」

「っ!………」

「あと、リリアンヌ王女とは仲良くやってよ?我が国のためにも」

「…………」

「じゃ、王子様はお姫さまを部屋までお連れするよ」



眠る私を横抱きで大切に抱きしめながら、

サイファー王太子殿下は颯爽と王宮図書館を出ていった。



その後ろ姿を冷たい三白眼で睨むアルフォンス様は、

両手の拳を強く握り締めていた。




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