表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/130

(35) サイファー王太子殿下との出会い(1)


朝から目が腫れまくってるこんな日に限って、

月2回のお父様とお母様が王宮に行く日だった。


私は仮病でも使って家で寝てれば良いものの、

根が真面目な元日本人の私は、

つい『大丈夫です。行きます』と言ってしまった。

生まれ変わっても社畜根性は消えてはいなかった。



朝食時、私の腫れた目を見て大騒ぎになった両親と執事やメイド達。

寝る前に読んだ小説に感動して泣いただけだからと説明して、

その場は何とか落ち着いた。



王宮に着いて、

私は下を向きながらそそくさと王宮図書館に向かった。


誰もいないこの場所は本当に落ち着く。

小さい頃から大好きな場所。

ここでアルフォンス様にも出会った。


いつもの意見交換会のソファーのある場所には行かなかった。

当分はあの場所には近寄りたくなかった。

あのソファーを見るのは、まだ辛すぎる。



未だアルフォンス様からは何の知らせも無い。

マキシム国からは既に帰国している筈なのに。


意見交換会に誘われても断らなきゃ、と思いつつも、

アルフォンス様からの連絡を待っている。

未練だらけだ。


でももう、諦めないといけない。


失恋って、

本当にしんどいな。




いつものソファーよりももっとずっと奥にある、

ブラーム国の古い歴史書があるコーナーに行った。

ここなら本当に誰も来ない。


二冊ほど古い歴史書を手に取り、窓辺の椅子に腰掛けた。

一冊目を夢中で読んだ。


30分程読んだところで、誰かに声を掛けられた。




(きみ)、大丈夫?」



ぱっと顔を上げると、

金髪碧眼のとても美しく若い男性が立っていた。



「あ……」



私は硬直した。



声を掛けてきたのは、

我が国の第一王子、サイファー王太子殿下だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ