表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/130

(29) アルフォンス様のチャンス


「………取り乱してしまいました。申し訳ございません」



王宮図書館内のいつものソファーに二人並んで座りながら、

アルフォンス様はバツが悪そうに、

大きな身体を少し小さくしながら私に謝った。

けれど、手はしっかりと繋がれていた。


抱きついて甘えてしまった事が恥ずかしかったんだろう。

でも、男の人だって何か辛過ぎる事があったら、

悲しくて誰かに甘えたくなる時だってあるはず。

お父様はよくお母様にすがり付いて甘えて、

嘘泣きをしているくらいだ。


アルフォンス様が本当の姿を見せてくださって、とても嬉しかった。

なんだかすごく可愛くて、思わず抱きしめ返してしまった。

母性本能?母性愛?もう、何でも良いか!



「大丈夫ですよ。昔から此方での事は二人だけの秘密なんですから。気にせずに大声で泣き叫ぶとか、思いっ切り悪態つくとか、アルの好きな様にやっちゃってください」

「悪態………」

「なので私も、久しぶりに砕けた話し方で失礼しますね?」

「………ふふっ……。クリスは………やっぱりいいですね」

「………笑ってもらえて、よかった」

「………久しぶりに笑いました」

「ふふっ。なら、本当によかったです。

………わかりました!アルがもっと元気になるなら、

何か私に出来ることがあれば言ってください」

「え!?」

「私がこんなこと言うことなんてなかなか無いですよ。

ほら、チャンスです!どうぞ!」

「チャ、チャンス?ですか…………ふふっ。いいんですか?」

「いーですよ」

「なら………。二つ、お願いします」

「え。二つ?………んー、仕方がない。今日は特別ですよ?」

「ありがとうございます」



アルフォンス様は握っている私の手を自分の口元に持っていき、

私の指先に軽くキスをした。

じっと私を見つめながら。



「ちょっ!?と、あ、アル!?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ