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(2) 生まれ変わった私
私は今朝も溜息をつく。
毎朝届けられる美しい花束。
今朝は我が国に一つしかない公爵家の庭にのみ咲く、
銀色のバラだ。
銀色のバラって。
この国でもバラは赤やピンク、白が普通だ。
初めて見た時はアルミホイルか超合金的な何かで出来てるのかと思った。
……そう、私には前世の記憶がある。
ラノベで読みまくった、異世界に渡るアレだ。
令和元年、年号が変わった日本で30歳独身OLだった。
大学時代からの親友のゆかりと、
仕事帰りの金曜日に3時間飲み放題の居酒屋でハイボールを飲みまくった。
翌朝、起きたらこの世界だった。
私は新生児だった。