表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/130

(12) わたくしの得意技、失敗


座っていた椅子に座るように促された私は、

自身も机を挟んで真正面に座った黒の美少年にガン見されながらも、必死に説明した。

初めは恐怖で就職面接中の女子大生の様にキチンと座って説明していた私は、話している内に段々とその場に慣れて来た。

床につかない脚を少しぶらんぶらんさせる余裕も出てきた。


黒の美少年は合間に質問を挟みながら、

私の話を小さく頷きながら聞いていた。



「………ということで、この矢印は…………は……は……はっくしゅん!あーあ。…………きゃ!し、失礼いたしました!」

「………」



日が傾き少し肌寒くなった私は、くしゃみをした。

持っていたハンカチで口元は押さえたものの止められず、

最後はおっさんのような『あーあ。』の声まで出ていた。

伯爵令嬢としては最低である。


黒の美少年は美しい黒い瞳の目を見開いてクリスティーナを凝視した。



「も、もうしわけございませんっ!

くしゃみを止めるのはわたくしの得意技ですのに、

こんかいは止められませんでしたっ!」

「は?…………ぶふっ!」

「!?」

「く、くしゃみを止めるのが、得意技……あーあ、って。ぶふっ!」

「……………」



『コイツ……何かすごく感じ悪いんだけど!?ムカつくわー!

乙女の失態を思いっ切り笑いやがったわ。

顔が良いかなんだか知らないけど、

まだ少年でもいっぱしの貴族の紳士ならば、

そこはスルーするべきでしょう!?腹立つわねっ!!』



チビの私は頬を膨らまし、

ムスッとした顔で黒の美少年をジト目で下から睨み見上げると、

黒の美少年はハッとした顔で固まった。

その後、段々と耳と頬が赤くなっている。



『あれ?顔、お耳……赤い??』




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ