表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/130

(102)国王陛下と王妃殿下(1)


ガチガチに緊張しながら、視線を下げて部屋に入った。


この時点ではもう、先程のアルフォンス様とリリアンヌ王女様のショッキングなツーショットの件は頭からすっぽり抜けていた。


今の私の全神経は、目の前におられる国王陛下と王妃殿下に向かっていた。





「お待ちかねのラファイエリ伯爵、クリスティーナ伯爵令嬢をお連れしましたよ」




サイファー王太子殿下から紹介して頂いた後に、お父様が御挨拶を申し上げた。




「………国王陛下、王妃殿下、御機嫌麗しゅう。

ラファイエリ伯爵でございます。本日は娘のクリスティーナ共々お招き頂きまして、恐悦至極にございます」




す、すごい、お父様!

落ち着いた声で国王陛下と王妃殿下に御挨拶している!

頭を下げてて見れなくて残念。

お父様、やればできる子だったのね!




と、見直していたら。




「カール、ふざけてるのか?逆に白々しいぞ」


「っ!?」


「………だって、一応娘の前だし……」


「!!?」


「もう、カール!どうして今日はエレンは来ていないのかしら?

美人親子を、やっと一緒に見られると思ってたのに!」


「大変申し訳無いのですが、エレンは明日どうしても領地の孤児院にティーナ達と作ったスモックを持って行きたいと言いまして。昨夜はかなり遅くまで無理をしたため、今朝は絶不調で」


「あ!それなら仕方がないわね。明日、わたくしも一緒に行きたいわあ。わたくしが縫ったアップリケもちゃんと付けてくれたのかしら?」


「!!!?」


「ええ、みんなで手分けして全部バッチリ付けてましたよ。りんごと、犬と、ウサギとあと何だっけ?……あ、ティーナ」


「あれ?クリスティーナが固まってる」


「クリスティーナ!やっとちゃんと会えたね!ほら、顔を上げて!」


「クリスティーナ!やっとまた会えたわ!あのエレンとそっくりな可愛いお顔を早く見せて見せて!」




昨夜、確かに付けた。

沢山のアップリケをスモックに。

ものすごい運針スピードでスモックを仕上げるお母さまを横目に、私と数人の侍女達も交えてスモックにアップリケを縫い付けまくった。

うそっ!?あのアップリケ、王妃様の手作りだったの!?

ちょっといびつな形をしたのもあったけど、どれも可愛くて侍女達にも人気だった……。



私が一人小さなパニックに陥っている中、ご近所さん的なノリの会話が頭の上を飛び交っているのに気付き、思わず少し頭を上げた。



そこは想像していた絢爛豪華な謁見室では無く、

確かにゴージャスだけど、ものすごくシンプルな応接室だった。


三人掛けのソファーに仲良く並んで座る国王陛下と王妃殿下が、満面の笑みでこちらを見ていた。




『うっ!ま、眩しいっ!』




お二方とも神が造られたかのような恐ろしい程の美しさで、眩しい後光が差していた。


国王陛下とサイファー王太子殿下は、目の色以外はクローンの様にそっくりだった。

目の色は陛下が緑色で、殿下は碧色。

でも、その他はびっくりするくらい激似で、不謹慎ながら殿下は間違いなく陛下のお子様なんだなーと思った。



王妃殿下は碧色の目で長く艶々ストレートのブロンドヘアが女神度を増していた。

サイファー王太子殿下の碧色の目は、王妃殿下譲りだった。


お二方をこんなにも間近で見たのはもちろん生まれて初めてで、私は固まってしまった。



ただ固まった理由は他にもあった。





何故お父様は、お二方とこんなに気軽にお話しているの?



何故私は、このお二方を見たことがある気がするの??







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ