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(1) プロローグ
お決まりの異世界転生モノです。
ゆるゆるとお読みいただけたら幸いです。
「ア、アルフォンス、さま……?」
「………それでも、私は諦めませんから」
また、失敗した。
我が家でのお茶会の最中、
庭で無理矢理つまずいてコケた私を、
アルフォンス様はトラウザーズが土で汚れるのも気にせずに、
膝をついて私を抱き上げようとした。
違う。
こういうパターンは求めていない。
アルフォンス様から頂いたドレスをこんな泥だらけにしてまでコケて、
呆れられるように、嫌われるようにがんばったのに。
私はまた、何か方法を間違えてしまったようだ。