表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/48

007 困った客

今回は料理ではなく、飲食…サービス業のお話です。

飲食店に限らずサービス業の場合お客様の要望はある程度叶えなければならない。が、中には『お客様は神さまだ』と傍若無人な態度をとる人もいる。

本来それは店側がお客様に対するものでありお客様側から求めるものではない。

大体、1000円、2000円程度で『土下座しろ!』とか完売の物でも『私の分を用意しろ!』とか自分は金を払うのだから偉いのだというのはどうかと思う。

しかし、今の時代そんなお客様はいたる所にいる。


「なによ!私が頼んだ物と違うじゃない!こんなもの食べれないわよ!!」

「しかし…」


40代であろうか?厚めの化粧をした婦人がミキちゃんに食いかかっている。


「大体なぁに?アンタ、私が来店した時から態度悪いわよ!アンタの名前は?どうせバイトでしょ!」


ジンはたまらずホールへ出てミキにいう。


「ミキちゃん、あっちのオーダーよろしく!」

「店長!…失礼します!」


さてと、


「お客様、如何なさいました?」

「アタシが注文した物が違うのよ!それなのにあの子謝りもしないで!」

「しかしながらお客様のご注文はカニチャーハンですよ」

「アタシが頼んだのはエビチャーハンよ?アナタもおかしんじゃない!」

「私はキッチンからお伺いしていました。スタッフも聞いているので間違いはないかと…」

「っ!アンタ名前は?こんな店潰してやる!」

「…名前を聞いてどうするのですか?」

「ネットに書き込んでやるから!」


困ったお客様である。今時、名前は個人情報だというコトを理解しているのか?


「ウチの店のコトはネット禁止です。写メもブログも…。看板にも記入してあるし、来店時にも確認しているはずですが?」

「何?逃げてんの?ふざけてるんじゃ無いわよ!お客様は神様なのよ!」

「…すみませんが、他のお客様のご迷惑になるので退店していただきます。これ以上騒ぐようでしたら警察を呼ぶことになりますが?」

「なっ!ふざけんじゃないわよ!こんな店コッチからお断りよ!」


婦人はバンっと扉を開けて出て行った。


「皆さま、お騒がせ致しました。ご迷惑をおかけしたのでデザートをサービスさせていただきますね!」


店内に不安な空気が流れていたがすぐに落ち着いた。

店内の音楽もポップなものに変える。


「店長…。すみませんでした」

「ん?大丈夫!アレは店の権利で保証されているから!」

「じゃあ、なんでそのコトを言わなかったんですか?」

「感情的な相手に法律の話をしたらどんどん拗れるだけなんだよ」


まあ今回は他のお客様が不快に思っていたのが理由ではあるが…。


「今回は犬に噛まれたと思って我慢しよう!後で賄い奮発するから!」

「ハイ!頑張ります!」


お客様も100人いれば100通り。

たまにああいうコトはある。まあ、店をやってる以上仕方無い…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ