004 カレー
今日はカレーday!
仕込みの為朝は早い。
小さい寸胴に各種のカレーを用意する。
ビーフカレー…牛肉を赤ワインで煮込み臭みを消して、寸胴に炒めたニンニク、玉ねぎ、マッシュルーム、ショウガ、ブレンドした辛口のカレー粉、ローリエを入れて煮込んでいく。
ポークカレー…豚肉はバラとブロックの2種類をバターで炒め、寸胴に炒めたニンニク、玉ねぎ、人参、ジャガイモは煮崩れするので大き目でブレンドした中辛のカレー粉で煮込んでく。
チキンバターカレー…ニンニク、ショウガ、玉ねぎを炒め、鶏肉はバターで炒める。トマトを6つにきりブレンドした辛口のカレー粉、コンソメで煮込んでいく。沸騰後、生クリーム、バター、シナモン、塩で味を調整する。
キーマカレー…玉ねぎ、ニンニク、人参、マッシュルームをダディーニ(小さい賽の目切り)にし、牛豚合挽き肉、と一緒に炒め、ブレンドした中辛のカレー粉を入れソース、醤油で味を調整する。
メインのカレーはこの4種。
ご飯はサフランライスと白米。
ナンも作る。
ナン…中力粉と塩とベーキングパウダーをボールにいれてざっと混ぜ、ぬるま湯にはちみつとドライイーストを入れてよく混ぜる。ボール状にして40度位で30分発酵させフライパンで焼く。本来は石窯で焼くが流石に無理である。
付け合わせに、らっきょうに福神漬け、塩茹でのブロッコリー、ヤングコーン。
蕎麦つゆを少量用意してカレーうどんの準備もする。
ざっと100人前は用意したが…今日も閉店は早そうだ。
日本人はカレーが大好きなのだ!
ちなみに今日のお茶はチャイである。
カラン、昼のお客様の来店である。
「ジンさん、お疲れ様です!」
「あれ?アオイちゃん、どうしたんだい?」
「今日はカレーの日だから来ちゃいました!あっミキちゃんもおつかれ!」
「アオイちゃん、いらっしゃい!」
アオイはそう言うとカウンターに腰掛ける。
店長をファーストネームで呼んでいるのは、この店が長いので気が知れている証拠だ。
25、6歳だろうか、今日はオフなので自慢の黒髪をおろしている。なかなかの美人である。
ジンの店の夜の部が人気なのもアオイの存在が一役かっている。
「何にしようかなー」
「…賄いでいいだろう?」
「えっ!いいの?ラッキー♡」
アオイは激辛党だ。通常メニューでは物足りないだろう。
ジンは冷蔵庫からタッパーを取り出す。
「それってタンドリーチキン?」
「ああ、今日は唐揚げ風にする」
タンドリーチキン…鶏モモ肉(本来は骨付、骨無しは正確にはチキンティッカ)を一口サイズに切り、表面に包丁で穴を開け、ヨーグルト、ニンニク、ショウガ、カレー粉のよく馴染ませ30分寝かせる。
唐揚げの場合、薄力粉か唐揚げ粉で揚げるのだが、今回はそこに一味唐辛子と輪切り唐辛子を加える。
コレをキーマカレー(唐辛子マシマシ)と一緒に出す。
「うん!辛くて美味しい♡」
「…美味しそう」
「ミキちゃんも一口食べる?」
「いいの?」
「ハイ、アーン」
「アーン、…、かっ辛っ!水、水!」
ミキは慌ててコップに水を注ぐ。
「えー、美味しいのに…、うん、美味しい♡」
「…ミキちゃんには後で普通の作るから」
激辛は普通の人には危険である。
うみゅ、ブクマが増えてます♡