027 お好み焼き
お好み焼き…。
各家庭でもお店でも1回は食べたこのがある料理だろう。
発祥は大阪と思っている人も多いだろうが、実はどんと焼きが東京の花柳街でお好み焼きと化したのが通説だ。後に大阪、広島へと伝播し急速に広まった。
「ってことだから昭和初期のお座敷料理だったんだよ」
「へー、お座敷料理ですかー」
アオイは勘違いしているが、実際には料理屋に入る建前で裏では女性を買っていた…つまりソープランドの飲み物ようなものだ。
ジンはあえて勘違いを訂正しないで話を続ける。
「粉物で自分の好きな物を入れて焼くからお好み焼きって名前になったんだよ」
「あっ!お好み焼きってそーいう意味だったんだ」
当時から人気だったのは豚肉。他にも海老やホタテにイカ等々。
今日のメニューも3種類。
豚玉…小麦粉を水で溶いてキャベツを入れて練り、鉄板で豚バラを焼いてその上に生地を乗せる。中央をくぼませ卵を落とし天カスを乗せる。ココからは技術だが大コテでひっくり返して焼きさらにひっくり返す。最後にソース、マヨネーズ、青のりをかける。
海鮮…小麦粉を水で溶いてキャベツを入れて練り鉄板に乗せる。生地の上にエビ、ホタテ、天カスを乗せ大コテでひっくり返して焼きさらにひっくり返す。最後にソース、マヨネーズ、青のりをかける。
ネギ焼き…小麦粉を水で溶いて鉄板に乗せ、刻んだ青ネギ、牛スジ、蒟蒻を乗せ、その上にすった山芋をのせ大コテでひっくり返して焼きさらにひっくり返す。
食べる時はポン酢をつけて食べる。
「ネギ焼きはいわゆる『のせ焼き』って方法なんだよ」
「へー、焼き方もあるんですかー」
「いわゆる広島風ってやつさ」
お好み焼きは一般的には混ぜて焼く『混ぜ焼き』だが、ネギ焼きの場合のせ焼きの方が伝統的である。また、ネギのみの東京風ではなく近畿地方のネギ焼きだ。
付け合わせは焼きオニギリ
焼きオニギリ…鉄板にバターを乗せオニギリを焼く。途中醤油をかけてひっくり返す。
「焼きオニギリ美味しいですね!」
「うん、高校時代通ったお好み焼き屋のメニューなんだ」
「青春の味って奴ですね!」
アオイはジンのセリフを茶化しながら箸を進める。
「さあ、賄いが終わったら夜の部に備えるか!」
「あっ、今日のオススメはどんなのですか?」
「モダン焼きだよ」
「モダン焼き?」
モダン焼き…鉄板で焼きそばと豚バラを焼いて焼きそばの上に豚バラを乗せさらに生地を乗せる。中央をくぼませ卵を落とし天カスを乗せる。大コテでひっくり返して焼きさらにひっくり返す。最後にソース、マヨネーズ、青のりをかける。
「すっごいボリュームですね」
「まぁ、粉物は往々にして炭水化物だからね」
今日も店は混みそうである。
 




