024 山梨ワイン
10月10日は甲州ワインの日だそうだ。山梨は日本ワイナリーとして活躍している。
ワインといえばフランス、イタリアが有名だが、実は世界各地作られている。といってもアメリカ、南アメリカ、アフリカはまだニューワールドと認知されているが…。
「へー、どうしてなんですか?」
「もともとワインはヨーロッパで紀元前から作られていたんだよ」
「マジっすか?」
常連のサラリーマンとワインについて盛り上がる。
「広まるのに貢献したのはキリスト教さ」
「宗教?」
「当時布教の為各地に派遣された聖職者は同時にブドウ畑も広めていったのさ。未だに洗礼にワインを使う教会もあるし、ワインのことをキリストの血と呼んだりしているのさ」
「じゃあ聖職者も酒を飲むんですね」
「まあ、飲む人もいただろうけど…酒を飲めないのはイスラム教徒だね」
「イスラムの人って酒飲めないんだ」
「イスラム教徒は戒律が厳しいんだよ。前にイスラム圏内でキリスト教のパブが焼き討ちになったことがあるぐらいだからね」
「焼き討ち!」
「自分達が飲めないのに何で飲んでるんだって」
「日本に住んでてよかった!」
本来、サービス業では宗教、政治の話はタブーである。色々な立場の人がいるので論争や不快な思いになるからだ。が、今はお客様は1人なのでジンも多少口が軽くなっている。
「っと、話を戻すと日本は鎖国してたからワインが伝わるのが遅かったのさ」
「普通は国産だけど、ワインやウイスキーは海外の方を選んじゃいますね」
「以前の日本ワインは南米から濃縮ブドウジュースを輸入して日本で発酵したのを国産とかいってたからなー」
「?」
「ヨーロッパでは普通ブドウの産地=生産地なんだよ。フランスなんかその為の法律まであるからね」
「ワインのための法律!」
フランス人はワインと離しては語れない。
「でも、最近その姿勢を重視して日本のワインもここ最近変わったのさ」
ジンはそういいながらグラスにワインを注ぐ。瓶の底を右手に持ち、瓶口にはキッチンタオルを用意して注ぎ終わると回しながら拭いている。
今日はグラス売りもしているようだ。
甲州…白。しっかりとしたうまみと厚みのある辛口ワイン。
マスカットベリーA…赤。いちごの甘い香り。かなりフルーティ。
ナイアガラ…フルーティーな香りの極甘口ワイン。甘ったるさが口に残らずスッキリとした飲み口。
「俺的には甲州がいいかな」
「ナイアガラは食前酒や女性向けだしね」
閉店後アオイがジンに今日のオススメを聞いた。
「今日はリクエストが無かったけどね。コレも美味しいんだよ?」
ももわいん…桃特有のフルーティーな味わいで、柔らかい甘さの季節限定。
「桃の甘さでお酒ってことを忘れちゃいますね」
「飲み過ぎるなよ?ついでに残った生ハムとチーズも食べちゃおう」
「やったー!」
閉店後、店内には少しだけ甘い空気が流れていた。




