002 賄い
「ミキちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です、店長!」
今日の昼の部は終了である。
この店も多くの店のように昼は11:00から14:00がランチタイム、17:00から23:00をディナータイムにしている。
が、材料が無くなり次第終了となるので通常21:00には閉店である。
「ミキちゃん、今日はフル勤だっけ?」
「ハイ!今日はアオイちゃんが来れないのでフルです」
「いつもすまないね。じゃあ、賄いはゴージャスにしよう!」
「やった!」
店長はいつも頑張るミキの為、本日3切れしか無い『キングサーモン』の切り身を用意する。
フライパンにバターとニンニクのスライスを炒める。そこにキングサーモンを置き弱火で焼く。表面が焼けたら裏返して付け合わせのネギを一緒に炒める。
白いご飯をよそって味噌汁を用意する。
「本日の賄いはキングサーモンのガーリックバター焼き、イクラを添えて!」
「いっただきまーす!」
ミキちゃんはキングを一口。
「なにこれ!スッゴイジューシー!」
「キングサーモンは鮭の中で一番脂が乗ってるサーモンだからね!美味しいだろう?」
「ハイ!マジ美味しいです!」
ご飯をパクパク食べながら、
「でも、なんでキングサーモンは脂が乗ってるんですか?」
「うん、泳いでいる地域が寒い方だから脂肪が多いんだよ」
「?」
「キングが泳いでいるのはアラスカやロシア。ちなみにキングサーモン、サーモントラウト、紅鮭、銀鮭、秋鮭の順に脂が乗ってる」
「へー、鮭にも色々あるんですね!」
「本来キングはシチューとかに使うんだよ」
「なるほど…」
とミキは食べ終わっていた。
店長も自ら作った鮭チャーハンを食べ終わる。
皿も洗い終わり、
「さて、そうしたら休憩して夜に備えよう!」
「わかりました!」
2人はそれぞれスマホをイジり始める。営業中は禁止だが、休憩中はラインやブログなどチェックをしたりゲームをしたりする。




