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ありふれた日常のアルバム

SS.この冬最後の雪の日

作者: かるちぇ



3月下旬のその日は、この冬最後の冷え込みで、真っ白な名残雪が朝からしんしんと降り続けていた。


この季節外れの大雪で電車のダイヤにもずいぶん遅れが出ているらしい。


もう一時間以上待ち続けている。


田舎の無人駅だから、ストーブのある待ち合い室なんて気の利いた場所はない。


もっと厚着してくれば良かったと後悔しつつ、コートの襟を立ててポケットに両手を突っ込み、駅舎の壁に背中を預ける。




やっと到着した電車から降りてきた人たちが足早に通りすぎてゆく中、見慣れたブーツが僕の前で立ち止まる。


僕がここにいることがそんなに意外だったのか、君は泣き腫らした目を大きく見開いたまま固まっていた。


ばかだな。僕はもう怒ってないよ。


「おかえり」


そう言ってボストンバッグを取ると、みるみるうちに君の目から涙があふれてきた。


「ただいま」



Fin.

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― 新着の感想 ―
[良い点] 想像が広がります。楽しいです。 [一言] まず、序盤で想像しました。主人公がそこにいる理由を。終盤で二人の関係の深さや、それに至った背景を想像。そして、この物語のあとに暖かい春が来て……と…
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