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愛未の母


「翔太の彼女さんがオーダーメイドのドレスを貸してくれたの!」


 式まであと一週間と迫っていた時に愛未はそう言って愛未は真新しいドレスを見せに家にやってきた。


 なんで自分が着ていないウェディングドレス貸してくれるの?どうして翔太くんの彼女さんから借りたの?なんでこんな結婚式の間際に?


 疑問が湧き出て仕方なかったが「ちゃんと話を通しておくのよ」としか言えなかった。


 チャント、ハナシヲ、トオシテ、オクノヨ。


 なんて言ったが大丈夫だろうか。それよりもオーダーメイドのドレス自分が着ていないのに貸すか?いやでも、成人した大人だし、話し合いとかしてる?のよね?


 自分で考えていたのだがどんどん不安になってきた。


 なのでもう一度本当に大丈夫か愛未に連絡を取ると『大丈夫だって!お母さんは心配症だなー』なんて言われてしまった。問題について何も言及していないことにさらなる不安を感じた。


 思い切って式場に連絡をしてみた。もし、相手の承諾がないのなら自分が料金を出すのでレンタルものをすすめて欲しいと一言添えようと考えて。


「大丈夫ですよ。あのドレスはメーカーの既製品ですので」


「既製品?」


「はい。自分だけのドレスが欲しいという顧客の要望に応えてお手頃なウェディングドレスの販売をしているところもあるんです」

 値段はピンキリですけど、と付け加えられた。でも、それじゃあ辻妻が合わない。


「きっと断りきれなくて、買ったものをそのオーダーメイドドレスだって言っているんじゃないでしょうか」


 ああ、なるほど。翔太くんはそこまで考えてくれていたんだ。ほっと肩から力が抜けるようだった。 


読んでいただきありがとうございます。


こういった経緯もあり、愛未母は安心していました。

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