いざ、家探索へ!
お部屋探索回
あと父親も初登場します。
結局考えれば考える程最悪なパターンだったら...と考えてしまい結局一日目はふて寝してしまった。
ふて寝なんて親と喧嘩したとき以来...ってそもそも家に帰ってきたときは毎日ふて寝していたような気がするわ。
という訳で熱が引いたから外に出させてと母親にお願いしに行ったら、
「だめよ、そんなこと。今の時期は寒いんだから。風邪がぶり返したらどうすの。」
と言われてしまった。
反論しようかとも思ったが、あっちの言う事も一理ある。
聞き分けの悪い子にはなりたくはないのでここは素直に受け入れておこう。
だが貴様は家の中はうろつき回りまくることについては何も言っていないだろう!
という訳なので絶対家の中は探索させてもらうがな。
そう思い、勢いそのままに一階を探索していたら、自分の父親であろう人とばったり会っちゃった。
昨日の夜、ふて寝していた時に、床が薄すぎて下の階の音が聞こえたのでそっと聞き耳を立てていたら母親の声と父親の声が聞こえてきたので何となく想像はできていたんだけどさ...
恐らくおトイレをした後であろうこのルイス君の父親はとってもゴツかった。
多分前世の自分だったらちょっと肩が当たったぐらいで飛んでいきそうな感じである。
こりゃ絶対に怒らせたらこえーよ。
でも安心感がある気がしなくもないか?
いやなんかこのサイズは命の危機を感じるんですけど!?
でも何も言わないのもなんかな?
コミュニケーションの最初は流行り挨拶でしょ!
じゃあもうお世辞を交えながら言うしか無いっしょ。
『おはよう!お父さん。今日も朝日がきれいだね!』
かーぺきだわ。
シミュレーションバッチシ!
先手必勝!先に挨拶は頂くぜ!
すまねえな!我がパピーよ。
そんなことを思いながら勢いよく声を発そうとした瞬間、いきなり、
「大丈夫だったか!?ルイス。良かった、元気そうで。お父さんはルイスの元気な姿が見れるだけで嬉しいよ。よーしよしよし。」
と言いながら抱きついてきた。
ちょちょちょ!
レギュレーション違反じゃないですかそれは。
その体型でそれは子供をあやすというか殺しにかかってますよ!
これを本当の親バカっていうんだろうか。
むさ苦しさと喉が閉まって死にそうなるんですけど。
早く放してくれませんかね。
あっ、ちょっと弱まったかも。
こりゃチャンスすね。
せーの、二手目の反撃!
「しんどいよ、お父さん。死んじゃうって。」
ようやくこの有り様に気づいたか。
おっ、放してくれた。
でもさ、今絶賛本当に死にかけ寸前、HPバー赤状態なんですけど!
悪気がなかったとしてもやっぱりその抱きつきは殺す気だろ!
本当に死んだらどうする!?と怒鳴り散らしたい気持ちをおさえてほんのり(?)、
「キツかった〜。本当にいきなり抱きつかないでよね!お父さん。」
と言うと、そう言われてびっくりしたのか、少し固まってしまった。
もしかして今までそんな事言われたこと無かったのか?
まずい、もしかして地雷だったら殴られる!?
いや抱きついてきたのそっちなのに?
こりゃ児童虐待で訴え確定BGMっわ。
でも殴られる場所の筋肉を固くして反撃を...ってあれ?
「そうだよな。すまんな、ルイス。父ちゃんも落ち着いていかなきゃな。お前も病み上がりだし無理するのは良くないだろ。」
どうやらこちらの早とちりだったらしい。
やっぱり人のことを容姿で決めつけるのは良くないもんね。
一瞬殴られてコテンパンにされるかもしれないと思ったけど、やっぱり容姿で決めつけちゃいかんよ。
人相が良さそうな人でも悪い奴は悪い奴だし、良い人ならどんな見た目でも良い人なんだから。
えっ、疑ったんだから謝れって?
しゃーねえーな。
自分には嘘はつけねえからな。
「別にいいよ。こっちも心配してくれていたのにいきなり抱きつかないでよとか言ってごめんね。」
「俺が絶対悪いんだがな...まあ次からは俺も気を付けるよ。大丈夫か、怪我はない?」
「特に怪我はないから大丈夫だよ。」
愛情の過剰摂取で全身痛いがな!
まあ、心配してくれていたというのは痛いほど伝わってくる。
もう少し緩くしてほしんだけどな...
やっぱりただの子供のことを心配していた親バカだっただけだろう。
あんまり心配かけるのも良くないし、出来るだけ痛くないアピールをしておきましょう!
前の時には死にかけながら働いていたせいで心配してくれていたメールすらも読めなかったんだから今世ではちゃんと両親の愛情をたっぷりもらうとしますか。
痛いのは勘弁してほしいんですけどね。
とりあえずこれで一件落着である。
分かりの良い父親で助かりましたわ。
はい、こん時の自分は百パー油断してました。
あの後反撃が来るなんて...
「そんなに立派なことを言ってくれるようになってくれてお父さんは嬉しいぞ!よ〜しよしよし。」
と言いながらまた抱きついてきた。
二ラウンド目を始めるな!
やっぱり殺人マシーンってくらいイテーじゃねえかよ!
もう嫌なんですけど。
今日、私は、親バカ過ぎる親を持つ子供はとても苦労することもあるということを理解いたしました。
結局あの場は仕事に遅れるよ!という母親の声によって何とか収まったのだが、それがなければ一生抱きついてたんだろうな。
神様仏様お母様。
その後リビングから罵声が聞こえてきたので玉が縮こまったような気がしたけど。
まあ、こうやってこの家族は成り立っているんだろう。
今はただその罵声がこちらに向けられることが無いことを祈るのみだ。
ともかく今は他の部屋を見ることだろう。
今のところ知っている部分は、
一階
リビング
トイレ
二階
自分の部屋と寝室
である。
そもそも家の規模なのだが、レンガ造りだし、服装的にも少し破れた部分を縫ってまた着ているような感じがしたからあんまり大きいのは期待しないほうが良いってもんだ。
最初からワクワクしていたら何もなかった時悲しいし。
二階に関してはその2つしか無いので一階の方を見て回る。
ばったり父親と出くわしたトイレの近くの廊下を渡っていけばあとは玄関を確認すれば一階の探索は完了。
というわけなので、最初に、トイレを確認する。
もしかしたら水洗式なのかも...なんて言う甘い考えは一瞬で消えて、バリバリ汲み取り式トイレだった。
テンションがだだ下がりだったが、洋式だったことと、返しがついていて匂いが充満しているわけではないことがあったのでまだ耐えれるからまだ許そう。
でも、トイレがボットン便所であることには変わりないので減点で。
次に、父親の部屋があった。
恐らく、ここに仕事用具とかを保存しているってことか。
それを見て分かったのだが、恐らく父親は鍛冶の仕事をしている。
騎士とか冒険者ではなさそうな格好で家を出て行った割には体がゴツかったは鍛冶の仕事ををしているからか。
鍛冶の仕事なんていくら儲かるのか分からないが、少なくとも鍛冶屋で生活が立ち行かないほど苦しくなることはないと信じておきましょう。
破産して路頭に迷うことは恐らく無いのは有難すぎますわ。
はやりどんだけ自由に生きようと思ってもお金はあるだけ良いものですからね。
それこそかつて自分が死ぬほど働いたように、金は切って切れないものだろう。
自分のに関しては働いている量と給料が明らか見合ってないんですけどね。
何ででしょうね。
悲しいことを思い出しつつ、次の部屋に行ってみる。
ここは恐らく食料品を保存してい場所のなのだと思われるような場所があった。
開けてみたのだが、最初に豚を丸々吊るしてあったような物があったんだよね...。
すぐ閉めちゃった。
もうあそこ覗かないでおこう。
グロすぎますわ。
諦めて次々!
これが最後の部屋か。
最後あたかもさっきの引き返さなかったのを神様が褒めてくれているかのように、今一番欲しいものを発見した。
そう、書斎のようなものを見つけたのである。
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!。
勝ち確定BGM来たわ。
喜ぶのも無理も無いじゃろ。
ただの二回の会話ですら、今まではどこまで踏み込んで良くてどこまで行ったらだめなのか分からなかったためあまり喋れなかったが、これで脳死で喋っても恐らく大丈夫になるもんね。
てっきり今まで本を一回も見ていなかったので、本は高すぎて全く無い世界なのかと思っていたが、多少は庶民でも買えるみたいだ。
本当に助かった。
貴族だけしか買えないとかなら貴族を殺したくなちゃってたわ。
ただし、高価なことには変わりないのか、本はたったの五冊しか無かった。
ケチなことは言ってられない。
そんなことより本本!
本の内容は恐らく、
・童話集
・世界地理についての本
・魔力の扱い方の基本
・魔物の種類と取れる素材
・鍛冶の基本
の5つだ。
下2つに関しては父親の職業柄が入っていそうな本の種類である。
言語は日本語のように漢字やカタカナが入り混じってたりしている訳ではなく、一つの文字列のみで成り立っているみたい。
でも理解できちゃってんだよな。
まあまた覚えるのめんどくさいしご都合主義、GJ!
ありがとうございます!
そして文字が分かって本の背表紙に書いてる通り、魔力と魔物がいることが確定しました!
はい、拍手!
パチパチパチ。
これで転生したのに魔術とか何も無いとかいう悲しすぎなことは回避されたの嬉しすぎだろ!
「よっしゃ...良かった...」
嬉しすぎて声出ますがな。
よし、それじゃあご都合主義に感謝を込めて情報、いただきます。
意気揚々と本を手を掛けようと手を伸ばす。
あれ?
腕短くないっすか?
そうだった!
子供になってんだから色々とちっちゃくなってんじゃん!
大人の体なら絶対届くのに!
おっ、指先が届いた!
後もう少し...よし、届いた。
これで何も分からないこの世界の事がわか、
「何してるの!?ルイス。だめじゃないそんなことしたら。早く自分の部屋に戻りなさい!」
と本を取ろうとしていたところに言われて追い返されてしまった。
ちょっとこっちにパピーの罵声入っていたような気がするんですけど!
玉が縮こまったんですけど!
何でだよ!と言い返したかったが、確かに子供に高い本なんて触らせたくない気持ちもわかる。
精神年齢が二十歳を超えていることを除けばただの三歳児であるのと同じだし、破れたら父親が怒られた比にならないだろう。
大人しく自分の部屋に戻ろうそうしよう。
ていうか怖すぎ。
だが、これで諦めたわけではない。
次は父親に本を読めるようにとねだってみよう。
あの感じだとすぐにオッケーを出しそうである。
諦めないことが肝心だ。
取り敢えず明日父親が休みであることを望みながら今日は安静にすることにした。