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異世界に行って無力な女子を死ぬ気で守りたい。  作者: ヒナナヰ!
序章:高校生にして殺し屋
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プロローグ:高校生にして殺し屋

前々から作品エタってばかりの者です。

頑張ってやってきますが、途端に投稿やめてしまうかもです。

 窓の外は嵐に見舞われている。稲光が見え、雷鳴も轟く。

 この部屋は牢屋のように一辺が鉄格子になっており、小窓も鉄格子で閉じられている。レンガの壁も、長い年月を経て朽ちている。


─ヴー…ヴー


 ポケットの中の俺の携帯が震える。俺はそれを取り出し、応答する。


『俺だ。』

 この声は俺と同じ仕事先の男だ。ちょうど『仕事』が終わったと踏んでかけてきたのだろう。正解だ。

「ん。こちらはもう終わっている。」

『そうか。情報は聞き出せたか?』

「あぁ。ある程度は。だが、最上級の研究員とはいえ、ただの研究員でもある。流石に、本部の情報は何も知らなかった。」

『そうか。』


 その相槌を聴きながら俺は『そこ』に目を向ける。

 そこには、爪を剥がれ、目をくり抜かれた放心状態の男がいた。


『…ははっ。』


 電話先の男が笑い出す。


「何だ?急に笑い出して。気色悪ぃ。」

『いや、な。お前。またやりすぎたろ?』

『…まぁな。』


 俺は少し微笑む。


「でも、ある程度の情報は吐かせた。これ以上情報があるとも思えんしな。」

『そうか。ちなみになんだが、どんな感じでやったよ?』

「えっと…?両目を半田ごてで溶かしながら失明させて、その後木製スプーンでくり抜くだろ?爪は肉と爪の間に錐突っ込んでてこの原理で剥ぐだろ?…つってもそんぐらいだぞ?」

『Wow…it's crazy…』

「What happened to suddenly speaking English? Do you understand Japanese?(急に英語を喋ってどうした?日本語分からないのか?)」

『…すまん。つい癖で英語で驚いちまった…お前が英語ガチ勢なの忘れてた…』

「悪いな。こちとら、伊達に他国語学んでないんでな。」

『…で、だ。任務は終わったんだし、そろそろ帰るんだろ?』

「あぁ。土産話も沢山聞かせてやるよ。」

『言い方は平和だなぁ。んじゃ、任せたぜ─』


 男は続ける。


『─│新神にいがみ!』

「あぁ。」


 男の言った名。

 新神。俺の名だ。

 俺は│新神にいがみ しん。実は一般高校生だ。




 俺は携帯をポケットにしまい、言う。


「さて。お前は用済みだ。流石に口止めしないとヤバいんでな。」


 俺はコートから銃を取り出し、男の後頭部に向ける。


「お前に恨みは無いが、お前の上層部には数え切れない程の恨みがある。悪いがここで死んでもらう。」


 俺はその銃の引き金を引く。銃はデザートイーグル.50 Action Express。頭なんて…


─パン!


 木っ端微塵だ。男の頭は簡単に吹き飛んだ。


「さて。」


 俺は小窓を見る


「雨は酷くなっているか。小窓の大きさは、目測48.7cm四方。その気になれば通れる程度。この建物の高さは推定24.6m。その建物の最上階だから屋根や屋根裏を差し引いて18.8m。屋根の軒先の高さは、小窓からおよそ1.6m。材質は粘土…即ち瓦。行けるな。」


 俺は鉄格子の下側。レンガの部分に向けて、数発、銃を発砲した。レンガに埋まっていた鉄格子がむき出しになる。鉄格子の下端の部分が見えたところで俺はつま先立ちし、鉄格子をブッコ抜く。以外とスポリと抜けるので小窓の鉄格子5本は全て抜けた。

 俺はその小窓に登る。レンガが破壊されたおかげで隙間はかなり大きくなった。


「…夜だし、雨だから人目も付きにくいな。」


 俺は左腕を右脇腹に当てる。そして右腕を軒先に向ける。すると、右袖からアンカーが射出され、軒先に刺さった。アンカーとはワイヤーで繋がっているので、俺は右脇腹の装置を操作し、ワイヤーを強く引っ張る。俺の体は勢いよく引っ張り上げられる。体が軒先にぶつからないように、引っ張り上げると同時にアンカーは外す。すると俺は軒先よりも高い位置に浮かび上がる。俺はまたアンカーを射出。屋根の上に登ることに成功した。

 俺はコートの裏ポケットから懐中時計を取り出す。

 時刻は11時38分。仕事場に着く頃には0時は回っているだろう。


「…っ!?」


 俺は『音』を聞き、即座に軒下にアンカーを射出し、そこに隠れる。上からだと俺の姿は捉えられない。

 俺の聞いた音。それは…


「…ヘリコ…か。」


 ヘリコプターだ。上空から下に向かってライトを照らしている。

 俺のすぐ目の前に光が降り注ぐ。が、俺には当たらない。ヘリコプターは建物の入り口側。俺とは反対側の位置に着陸したのを聞いた。

 再び屋根の上に登る。

 ヘリコプターを見ると、4人の男が建物の中に入っていくのが見えた。しばらくして俺も屋根から降りる。


 五点接地転回法。


 着地時に身体を前転させることで、体の各部に衝撃を分散させる着地術だ。


「…こっそり閉めてやろうか…いや。」


 俺はヘリコプターに近づく。そして触れる。


「鉄ぐらいなら行けるか。型的に2.9トン。やや軽めか。」


 俺は触れている手に力を込める。指がめり込む。

 更に力を込める。

 完全に指が埋まり、ヘリコプターも変形する。そのまま腕を上げる。ヘリコプターが地面から浮く。


「…まぁ軽いな。…しかし、俺も劣ったものだ。重さは3.1トンじゃねぇか。」


 まぁ、絵面的にはあれだが持ててしまうのだから仕方がない。


「さて。まずは、入り口に向かって…」


 俺はヘリコプターをぶん投げる。

 ヘリコプターは入ってすぐの曲がり角にぶち当たってひしゃげた。


「…んで、あとは…と」


 俺は入り口のボタンを閉める。実はこのボタンは入り口のシャッターを閉じるのに使う…が、内側にもボタンがあるため、閉じ込めることはできない。が、今回はヘリコプターがひしゃげてくれているおかげでシャッターが変形し、開きにくくなっているのだ。


「…さて、これであらかた片付いたか。あれから3分…41分か。…帰ろ…」


 俺は帰路につく。

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