表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

砂場を制すルシファー

作者: しいたけ

「ククク、ついに我が魔城の完成ぞ……ククク、クカカ!!」

「ぶるどーざーババーン!」


 腕を組み高笑いを浮かべる女の子の足下で、たった今築城を終えたばかりの砂城が年少者の一撃で消えて無くなった。その事実に女の子はまだ気付いてはいない。


「ルシファー様~、バケツに水を汲んできましたよ~」

「うむアスタロトよ大義であるぞ!」


 女の子と同い年の男の子が、両手に一つずつ小さなバケツを持ってやって来た。バケツには水が溢れんばかりに注がれており、その実歩く度に少しずつ零れては滴っていた。


「やや! ルシファー様我らが城が!?」

「んん? ……ふぇ!?」


 ようやく崩壊した城の存在に気が付いた女の子。砂場を横切る足跡だけが、その犯行を物語っていた。

 夢の跡の惨劇に、女の子の顔色が暗くなってゆく。


「そ、そんなっ……ふぇ、ふぇっ!」

「ルシファー様お気を確かに! 城などまた作れば良いではありませんか!」


 泣きそうになる女の子を必死で説得する男の子だが、その後ろから城を破壊した年少者が、今度は飛行体制で迫っていた。


「ひこーきマンとあぁぁ!」

「ぐふっ……!!」


 背中をどつかれ砂場に倒れてしまった男の子。バケツが倒れ、男の子の服はあっと言う間にグチャグチャになってしまった。


「うわーん!!」

「あらあら明日太郎くん! お着替えしないと」


 脇を抱えられ、先生に連れて行かれる男の子。


「アスタロトー!!」


 女の子はその姿を見届ける事しか出来なかった。


「我は無力だ……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] さしもの大悪魔も依り代が悪かったかな? ( *´艸`)
[一言] 本文から読み始めました。面白かったです。次にあらすじがあることに気付き、あらすじですでに物語が始まっていたことに気付き、二度楽しませていただきました。
2022/08/12 07:06 退会済み
管理
[一言] あらすじの「十億光年」を年数として使ってる辺りが、子どもっぽくて可愛いですねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ