表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

3話! 〜無個性やろうの僕が美少女金髪碧眼魔法少女に膝枕してもらっていた結果〜

 雨が降る日、僕は泣いていた。 


 初めて出来た彼女との初デート。


 だが待ち合わせに来たのは空虚と虚空のスパイラルのみ。


 その現実を中学生の頃の僕は受け入れられなかった。


 涙を流し唇を噛み……夢を追いかけようと決意した。



 □◼︎□◼︎□



「ぱんつの人だ……」


 綾乃春希(あやのはるき)は静かに目を開いた。


(柔らかい……)


 頭に柔らかい何かがある……それに目の前にはぱんつの人がいる。


「これって——膝枕?」


 夢のような感触だ。


 そう思った綾乃春希は体を180度回転させ少女の太ももの匂いを嗅ぐ。


「何してるんですか?」


 鼻を二回ならせ自分の心の思うまま答える。


「あの!何してるんですか!」


 またも鼻を鳴らせ——



「だ!か!ら!何してるんですかぁ!」


「はう!」


(この女!杖で叩きやがった!)


「痛い」


「だったらどいてください」


「……はい」


 まだ頭が朦朧とする……



 一分程彼女を見つめていた。あくまで落ち着くためである。しかし彼女は勘違いしているのか見つめていると少しずつ顔を赤らめてる。


「あの……落ち着きましたか?」


 そう彼女は質問してきたが僕はあえてノーと答える。


 この子を見ていると何故か弄りたい気持ちが溢れてくる。


「うーん分かんないので一旦寝てもいいですか?もちろんあなたの膝枕で!」


「は?」


 やばい地雷を踏んだ。

 今にも爆発しそうな爆弾、この質問から逃げないとやばいと綾乃春希は本能的に判断した。


「いえ、全てを理解しました。膝枕は不要です」


「そうですか」


 だがこれだけは分からないことがある。


「だけどこれだけは教えてほしいです」


「皆まで言わなくてもいいよ、大体分かるから」


 そう言うと女は手を組み持っていた杖を肘に挟む、そして魔法使い特有の帽子を触りこう答える。


「私が何で魔法を使えるのか——それが知りたいんでしょ」


 女は綾乃春希の返答を待たずに次のセリフを言い出した。


「私はね……気付いたらここにいたの。私は魔法が飛び交う世界から来た、つまり異世界人だと思う……原理は分からない、だけどここに来た。この世界の人間じゃないから魔法が使える……しかも私の記憶が正しければ……私はもう死んでい——」


「ストップ!!」


 突然の大声に驚いた女は舌を噛み悶絶していた。


「いったぁー急にどうしたの?」


 綾乃春希は口の前に指を持ってくる、そしてこう呟いた。


「誰かくる」


(この足音はいつものおねいさんじゃない)


 この場所がバレた?最悪の場合は教師が来た時この子の存在をどう説明するかだ。十中八九生徒指導室に呼ばれる事になる。


「大事な事を聞いてなかった。君の名前はなんて言うの?僕は魔法よりそっちが気になるな」


「私の名前?そんな事が気になるんだーふふふ!面白いね君!じゃあ君から教えてよ」


 相槌を打つ。


「僕の名前は綾乃春希(あやのはるき)。将来の夢は勇者になること!よろしく!」


「私の名前はミーヤ!ミーヤ・テクスダント。よろしくね」


 ミーヤは笑顔でそう答えた。


 長く美しい金髪。青く綺麗な(ひとみ)を見て綾乃春希は不思議と初恋の人を思い出していた。


 悲しく儚い初恋の事を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ