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遅れてすみません。里帰り中で中々PC使用できないのです・・
翌日、ソフィアはさっそく姫達の歓迎?を受けた。
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『何これ?』
レティが不思議そうにテーブルの上に置かれた物を見ている。
『あ、あのですね。昨夜はなかったのですが、今朝ドアの外に出たらこれが・・・』
物の第一発見者のアーナは困ったように言う。
テーブルの上にある物。大きさは30cmほどで、約10か所を紐で縛ってあり、人を模しているようだ。材質は藁だった。そしてその人型のものの真ん中は少し大きめのナイフで貫かれていた。しかも刺さったナイフのところにはしっかりとソフィアと書かれている。
「・・・・これは多分・・東の地方で呪いや人身御供として使用される藁人形だと思う。昔、本で見た気がするよ」
小さなときに読んだ「やってみよう★珍呪法〜入門編〜」にたしか書いてあった。きっと他国の姫たちの仕業だろう。早速行動に出るとは・・・暇なんだな。でもめずらしい。本で絵は見たことがあるが、実物は初めてだ。少しうれしい。よくよく見れば、なんとなくかわいいと思う。
『なっなんだって!?じゃあソフィアが呪われるのか?ていうか怖すぎ!!あとそんな本読むな!!』
『ヒィィ・・』と悲鳴をあげてレティは机の下に隠れてしまった。彼女は目に見えないもの・・・つまりお化けとか呪いとかが大の苦手なのだ。本人によれば、見えないお化けと一緒に居るよりも、犯罪者と一緒にいるほうがいいらしい(自分でボコボコにできるから)。
私がそんな怯えたレティを無視してジーっと藁人形を凝視していると、クレアが藁人形を持ち上げた。
『心臓の位置に釘が刺してあるわね・・これってソフィアちゃんの心臓をさしているのよね。クレアちゃん大丈夫?心臓止まってない?』
彼女は真顔で聞いてきた。いやいや、心臓が止まってたら起きてこないよ。
『それより、早く処分しろよ、それ。危ないよ!!』
いつもより、数段、小さな声で叫ぶレティ。少しイタズラ心が働いて、クレアから藁人形を奪い、レティの前に突き出した。レティは『kkfdk*&#@×!!』と意味不明な悲鳴を上げ、床を這いながら逃げ出す。ソレが面白くてクレアに目配せをして二人で挟み撃ちをし、レティを追い詰めた。レティはよほど怖かったのか気を失ってしまった。
・・・やりすぎたかな。でも逃げ出すレティの涙目の顔はなんか心をくすぐるんだよね。
気を失ったレティをそのままにして、とりあえず藁人形をどうするか決めた。
「なんか癪だから、この呪い・・と言っても効いてないけれどを反してみよう。本にはたしか念じながら釘を刺せばその通りになるって書いてあったよ」
『ずいぶん簡単なのね』
「しょせんは書庫にあった埃のかぶった本に書いてあったのだから、効かないと思うけどね」
『そうね・・・とりあえず、もっと太くて熱した釘でも心臓に刺しておきましょう・・あとお尻にもね・・・私のソフィアちゃんにこんなの送ってきた罰よ』
少し口角を上げながらいうソフィアは凄く怖かった・・。
少しクレアから距離をとる。そのときレティの頭を蹴ってしまった・・平気かな?
『そ、そんなのダメです!!もし死んじゃったらどうするのですか!?せめて顔に刺してひどく醜い顔にするとかにしましょうよ!!』
今まで黙っていたアーナがそういった。おいおいアーナ、あなたって可愛い顔してとんでもないこというのだね。醜い顔って考えようによっちゃ、死ぬより酷いじゃん。
『それもいいわね。じゃあ、焼けた釘を顔面に刺しましょう?醜くさだけでなく、火傷もプレゼントよ!』
『いいですね!!そうしましょう!!』
二人とも意気投合。嬉々として話している。とりあえず止めなくては。
「いや、効くかわかんないからね。とりあえず腹痛が止まらなくなるようにお腹に刺そう。それが一番穏便だと思うな。あとでなんか言われるのも面倒くさいしさ」
二人はブーブー言っているが、やはりお腹にするべきだ。顔は少し可愛そう・・・というか頭も弱く、顔もダメってなったら救いようないし。
そう思いながら、藁人形のお腹に釘を刺した。勿論「ソフィア」の紙は取った。よくよく見たら、ソフィアのソの字が間違っている。本当に頭が弱いようだ。
刺してから一応「痛くなれ〜」と念じてみた。まあ効かないと思うけれどね。
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その日の夜に開催予定だった姫たちの歓迎会は急遽、延期された。何でもモーブル皇国の皇女が急に激しい腹痛を起こしたためだそうだ。