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ソフィアの男性のタイプは30代後半から55代前半・・・つまり俗にオジサン、オヤジと言われる人である。それはソフィアが幼少期にその年代の人たちぐらいとしか触れあわなかったためである。


 だから、ソフィアは若い年齢の異性には興味が全くないのだ。ついでに初恋は7歳のとき、他国で世話になった44歳のカッコイイオジさまである(レティとクレアには理解ができなかったようだが)。ソフィアは女としてすでに枯れていた。


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『ところで出発はいつなの?』


やっと話が戻った。


「出発は約二週間後。向こうにはギリギリで着く感じだな。まぁ、その時点で少し周囲に選ばれる気は全くありませんとアピールしておこうと思う」


『たしかにそうね。どの国も我先にと姫を送り出していそうね。賄賂も付けて』


本当に辟易とする。姉姫たちならきっとお似合いだろうに。なんで私がそんな女の合戦場みたいなところに行かなくてはならないのだ。本当の戦場のほうがまだマシだ・・・・そう思うのは姫ではソフィアだけだろうが。


『でも、よくあの馬鹿たちが何もしてこないね。本当なら今頃、毒入りお菓子の一つや二つ来ていても不思議じゃないのに』


「ああ、それは彼女たちの警備が厳しくなったからだよ」


『どうして?また何かやらかしたの?あの人たち』


「今回やらかしたのは三の姫だけ。三の姫はどうも“純潔”じゃ無くなって久しいらしい」


「「どういうこと?純潔じゃないって…?」」


2人に聞かれたのでソフィアはあの後あったことを伝えた。


王座のまでの三の姫の発言を王妃が問い詰めた。珍しくそのときソフィアと二人の姉は一緒にその場を覗いていた。そして三の姫が実はとある貴族の男性と関係を持っていたとわかったのだ。つまり三の姫はもう“純潔”ではなかったのだ。二人の姉はそのことに蒼白になっていた。どうやら彼女たちは知らなかったらしい。ふと貴方たちはどうなのかと疑いの目で見たら、姉たちは首を横に振っていた。どうやら彼女たちは平気なようだった。


しかし、今わかってよかったと思う。もし知らずに彼女をどこか他国に嫁がせていたら大問題になっていただろうから。でもよくノコノコと暮らしていたものだ、厚顔もいいところである。


さすがに姉たちもそう思ったのか、三の姫を少し白い目で見ていた。王族・・しかも直系の姫であるにもかかわらず・・・大変な醜聞だ。


早速、三の姫と関係をもった愚かな貴族を尋問するつもりだ。私が責任を持ってね。


『毎度毎度、馬鹿だとは思ってたけれど・・・』


『本物の愚か者ね』


返す言葉もない。我が姉ながら恥ずかしい限りである。


「だから、三の姫含め私以外の姫は警備が厳しくなって身動きがとれないんだよ。三の姫の侍女たちは全員、今日中に城を追い出されるし」


この部屋に帰る途中、三の姫付きだった侍女たちにどうにかしてくれと泣きつかれたが、すべて無視した。彼女たちも三の姫の不義を手助けしていたわけだし、彼女たちは三の姫に直々に雇われたわけではないのだから、責任は取ってもらう。


「まぁ、そんな事は放っておいて、さっさと行動しよう。私も色々やっておかないといけないこともあるしね」


『そうだな』


『そうね・・じゃぁ、早速ソフィアちゃん、脱いでちょうだい。採寸しなくちゃ。どのくらい成長してるかしら・・・?フフフ』


ソフィアはすかさず逃げ出そうとした・・・・でもレティに後ろからガシッと捕まえられてしまい、結局脱がされてしまった。






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それから二週間後、クローナ子爵家への三の姫の降嫁が発表された式典の中、ソフィアはレティとクレア・・そしてあと数人の供の者とともに、こっそりと帝国へと旅立った。


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