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水曜日までに結構更新するつもりです
「正妃候補に選ばれたよ。帝国の・・・面倒くさい・・・」
部屋に戻ったソフィアはレティ達に向かって、心底うんざりしたように言った。
そもそもなぜ自分なのだろう。どうせなら姉にしろよ。
ソフィアの計画ではゆくゆくは国内の貴族に嫁ぐ・・・しかも余計な親戚の居ないところまたは、適当に伯爵あたりの称号をもらって女伯爵としてアレックスの補佐を・・・と思っていたのに。まぁ、皇太子が自分を選ぶことはないだろう。各国から集められるくらいだから、きっと平凡な自分は選ばれまい。
『あらら、大変だね。帝国の皇太子と言ったら美男子で有名じゃん。身長は2m近くあって、顔はあまりの美しさに目が眩むとか後光が見えるとか・・・ってまるで人間じゃないな。後光って何よ。私は嫌だな。顔見るたびに間が眩むとか、後光が見えるなんて男。いくら帝国の皇太子でも御断り』
『大丈夫よ。誰もあなたなんて選ばないから。でも私も嫌。後光が見えるってなんだか禿げているみたいじゃない』
『失礼な。誰かいるわよ・・・きっと私を選んでくれる人が・・・・。でもハゲ太子はよくソフィアを選んだね。見る目があるよ。』
『そうね、確かに見る目はあるわね。あの姉たちよりは遥かに人間ができているもの。あとレティ、この前あなた騎士のターイさまに振られてたわね』
ソフィアが何も言わないので勝手に話し続ける二人。まだ見たこともないのに、勝手にハゲ呼ばわりされてしまって帝国の皇太子が少し可哀想だ・・・とソフィアは思った。でもソフィアも後光の出ている人は絶対に嫌だ。
それにしてもレティはまた振られたのか。レティはなかなかの美人なのだが、何故かもてない。仮に付き合ったとしても一週間ほどで振られる。最短は二時間だった。二時間でどうして…?と思うのだがどうやらレティは暑苦しいらしい。たしかにレティは彼氏にベタベタとすぐに甘える。初めは可愛らしいのだが、さすがに勤務中に来られるのは困るらしい・・・というかレティも普通に仕事を放り出してるし。そのせいでレティの給料はクレアの半分だ。働かざる者食うべからずである。
「まぁ、そう言うことだから準備お願い。ドレスと何時もの半々で入れといて。宝石も適当にね・・・私はよく解らないし」
一応ドレスは持っていかなくてはね。さすがにずっと男性用というのは無理だろうから。
『わかったわ。あまり派手すぎるのは辞めるわね。控え目で・・・それでいて可愛らしいソフィアちゃんをひきたてるようなのを用意しておくわ』
「そんなに気張らなくてもいからね・・・シンプルなのをお願いします」
『フフフ・・・レースをたっぷりに・・・少し貧弱な胸を隠せるようなの・・・早速デザインを決めてこなくちゃ!!』
クレアはすごく楽しそうだし、私の話を無視している。
・・・それに貧弱とは失礼な。一応小さいながらもささやかな膨らみがあるんだからな・・・ってそんなことどうでもいい!!少し自分の悩みを吐露してしまったじゃないか。
『でも、皇太子ってソフィアの趣味じゃないよね・・・まぁ、ソフィアの趣味が絶対おかしいんだけどね・・・』
たしかに皇太子は私の趣味とかけ離れている容姿をしているようだ。
『どうして美形がダメなのかしら・・私もすごい美形は苦手だけれど、ある程度は目の保養になるから好きよ?』
そう言い二人でウーンと悩んでいる。
別に美形は好きでも嫌いでもない。むしろどうでも良い。
「そんなに私の趣味は悪いか?政略ならありえる年だろう?」
『そうだけれど、そんな政略、王族なら必要ないわよ!!どこぞのお金のない貴族にだけありえる話だわ!!』
『そうだ、そうだ!!ソフィアは絶対に趣味が悪い!!』
2人に忠告されてしまい、少しだけショックを受けたソフィアであった。
一人なら口で勝てるのに、二人だと少し大変なのだ。