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14 帝国

「お〜い、呼んだ姫さんリストできたか〜?警備の騎士の振り分けを決めたいから見せてくれ〜」


 そう呑気な声を出しながら、一人の男が入ってきた。


 男は騎士の服装をだらしなくきている。


 入ってきた男を横目に見ながら、部屋にいた男は答えた。


「ええ、ちゃんとリストは出来ましたよ。すごい数の姫です。頑張ってください。中には無駄に気位の高い姫もいるでしょうから」


 今答えた男の名前はアークという。彼は帝国の宰相だ。見た目はまだ二十代後半といったところであるが、すごく頭の回転が速く、国王にも気に入られている。それに彼は皇太子の幼馴染でもあった。


「気位の高い姫ねぇ・・面倒だな。あいつは、顔はいいけど性格が最悪なのは絶対選ばないだろうな」


 だらしない服装の男は答えた。この男は一応、昨年から帝国の騎士団長をしている。こちらも宰相と同じく二十代後半といったところだ。名をジュードという。そして彼も皇太子の幼馴染であった。


「メルテ公国のローズ姫、カルタローナ王国のセイラーナ姫にモルビーナ王国のルビーナ姫・・・みんな綺麗どころばかりだな。目の保養にはなるが・・・みんなプライドが高そうだな・・・。うんっ?このシェルフィーダ王国の姫は誰だ?四の姫ソフィア・・・そんな姫いたのか?ここはてっきり三人の姫のだれかが来ると思ってたぞ。なんてったって大陸でもっとも美しい姫だからな。もしかして四の姫ってのはその三人を上回るほどの美姫なのか?」


「ああ、違いますよ。四の姫はいたって平凡な容姿らしいです。少し珍しい色の髪らしいですがね」


「じゃぁ、何で選んだんだ?他はみんな美しい姫ばかりだろう?」


「実はソフィア姫は・・・少し変わった姫らしいのです。密偵によるとシェルフィーダ王国の政治を担っているのは国王ではなく彼女らしいです」


「マジかよ!?すごい姫だな・・たしかに変わっているな。もしかしたら案外気にいられるかもな」


「さぁ、私には分かりかねます・・・それよりも今日は遠乗りに行くと言ってましたよ。行かなくていいのですか?」


「ああ!!忘れてた!!ヤベー。じゃあな、俺行くわ!リストは貰ってく。騎士の振り分けが出来たらちゃんと持ってくるから」


「宜しくお願いしますね。いってらっしゃい」


 ドタドタと出て行くジュードを見ながら、アークは手元にあった書類を整理し始めた。


 どんな姫が選ばれるのか・・・と考えながら。




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