表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/41

13

『でも、向こうがソフィアを指名してきたのよ。だからどうしようもないのよ』


「どうしてです!?わたくし達のほうが遥かに美しいですのに!」


「そうですわ!!もしかして皇太子は醜女好きですの!?」


「姉上達の言う通りですわ!!それに私のほうが殿方を閨で喜ばせるテクニックを持っていてよ!!」


  頬に手をあて困ったように答える母に、すかさず言い返す姉たち(順番は一、二、三の姫の順だ)。


  こっちが黙って聞いていれば散々な事言いやがって・・・って三の姫!!あんた爆弾発言したよね!?閨で喜ばせるテクニックを持っているって実際に使ったことがあるみたいに言っているし!!


  さすがに三の姫の発言を疑問に思ったのか、一、二の姫は目を丸くして三の姫に振り返った(彼女たちも知らなかったようだ)それに母は・・・なんというか鬼のように顔が変化していて、背後にはなんだか黒い気配が漂っている。周りの大臣たちはすっかり青ざめてしまった・・・まだいたのか。てっきり帰ったかと思っていた。ついでに私も母の顔を見て、少し怖くなった。


  三の姫は「え・・・あ・・・えーと・・おホホ」などといい、誤魔化そうとしている。顔は蒼白だ。


  それから少ししてから、母はとても艶やかに・・・それでいて見たものの背筋が凍るような笑顔を浮かべた。


「もう正妃候補はソフィアと決まっているの。これは覆せない事実よ。さぁ、話は終りね。わたくしは下がるわ・・・三の姫はこちらにいらっしゃい」


そう言うと、母は三の姫をズルズルと引きずりながら去っていった。母の去った方から“いや〜”、“助けて〜”などと三の姫の悲鳴が聞こえてきた。


 一、二の姫、大臣そして私を含めた全員はしばらくの間、その場を動くことができなかった。










 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ