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短いです・・・
自分が正妃候補に選ばれたことと、拒否権は無いと言われたことに唖然としていると、いきなり扉の外が騒がしくなった。
そして次の瞬間『ドーン』という音と共に、扉が開いた。そして例の三人がそこにいた。
「「「ちょっと!!どういうことなんですの!??」」」
相変わらず三人とも声が揃っている。事前に予行練習でもしているのだろうか?
いきなりやってきた三人は、ヒールの高い靴を履いている上に、赤絨毯の上なのにドカドカと音を立てながら、私の横を通り抜けすごい勢いで父に詰め寄った。ついでに絨毯の上なのにすごい音を立てながら歩ける彼女たちを、その部分だけひそかにソフィアはすごいと思っている。
詰め寄られた父は王座に座ったまま身をのけぞらせ、最終的に王座ごとひっくり返り、医務室に運ばれて行った。
――――ずいぶんと弱い造りの椅子だったようだ。
父のことは気にしないでおこう。
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父が運ばれていったのを見ていた姉たちは、今度は母に向きなおった。
「「「どうして帝国の正妃候補にソフィアなんかが選ばれたんですの!?納得できませんわ!!!」」」
姉たちは鼻息荒くまくしたてる。そして母はそんな姉たち反応と彼女たちの着ているドレスを若干眩しそうに眺め、困った顔をした。
う〜ん、いつ見てもギラギラしたドレスだな〈キラキラではない〉。パーティーでもないのに・・・あれ?一の姫も三の姫も見たことのない新しいデザインのドレスなのに、二の姫のは見たことがあるぞ・・・って昨日着ていたやつだ!!どうやら私のドレスが税金で買われてるということを知って新しいのを着ていないみたいだ・・・。
マジマジと二の姫を眺めていると、二の姫が振り返った。すると彼女はフンッと鼻で笑いながら胸を張った。
どうやら、ドレスのことを自慢したいらしい。私は国民のために今日も同じのをきているのよ!!みたいな感じで。まあ、今までにしては大分進歩したが、でも同じドレスを二日間続けて着るのはどうだろう。たくさんあるのだから、代わる代わる着ればいいのに。きっと馬鹿の一つ覚えみたいに一週間ほど同じのを着続けるんだろうな。
ほとんど無視されていたので、ソフィアはそんな事を考えていた。