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娘が魔法少女!?お父さんの職業は悪の総帥です

作者: ドット

「お父さん!はい!お誕生日おめでとう!」


私の名前は武田源次郎。今日で41歳になる

目の前にいる天使は私の娘、武田萌華(もえか)12歳だ


「ありがとう、もえか」


妻が11年前に他界し男手一つで育ててきた。

多くの不自由をさせただろう。

仕事ばかりで遊びにもあまり連れていけない私に不満一つこぼす事なく、よくこんないい子に育ってくれた。


「お仕事頑張ってね!じゃあ、私も学校行ってるね!」


「ああ、行ってらっしゃい。気をつけるんだよ!」


娘の作ったお弁当を片手に私も家を出る

器用さと料理の上手さは妻に似たのかもしれないな

それにこの弁当箱を包む布の柄のセンスのなさもどう考えても妻の遺伝だろうな

妻の面影を見るたび嬉しくなる。

目の前にいるのは、自分と自分の愛したものの娘なのだなと実感できるから

そんな温かい気持ちのまま会社に着いた。


扉を開ける前に深呼吸をする

よし!今日も頑張ろう!


ガチャ


「おはよう諸君!」


「「「おはようございます!!ブラック総帥!!」」」


黒の組織、その総帥である事は未だ娘にも言えていないが、いつかしっかりと伝えられる日は来るだろうか…


「さて!今日の作戦は、商店街に住む者たちの悪の気持ちを増幅する事でダークエネルギーを集めるぞ」


「「「は!!」」」



■■■


「ハハハ!!もっとだ!もっと憎しみの心を増幅させるのだ」


私の仕事は、簡単に言えば、憎しみの心をエネルギーに変換する事だ。一番環境に優しいと思う

ただまあ私はあくまでも下請けで、デビル様に憎しみの心を集めて欲しいと言われているから集めているだけだ


「そこまでよ!ブラック総督」


「出たな!!魔法少女ども!」


光と共に中学生くらいの少女達とうさぎのマスコット的なものが現れる。

彼女達は魔法少女と呼ばれ私達と敵対関係にあるのだ


まったく、いつもいつも邪魔をして…

別に彼らに危害を加えているわけじゃないじゃないか

むしろ、憎しみを増幅させた後、回収するので幾分穏やかになるぐらいだ。

まあ、どうやらあのうさぎのマスコットは、デビル様のライバルらしいからね

良いように使われてるのかもしれないな

認識阻害が掛けられているのか個人として判別はできないが、中学生くらいの少女を使うなんて、同じくらいの歳の娘を待つ者として許せないな


「無駄遣いはしたくないのだが、仕方ない」


憎しみ心の一部を利用して、怪物を作り出す

まあ、所詮は心の具現化。魔法少女である彼女達以外は傷つけられない


さて、時間稼ぎは終わりだ。


「さらば」


「あ!まて!!」


青と黄色と桃色の少女達が逃げる私に気付くがもう遅い

次の瞬間にはもう会社に戻っていた。


「お疲れ」


「「「お疲れ様です!!」」」


今日のノルマを達成し帰路につく

ストレス社会ゆえにノルマの達成は容易いものだ



「ただいま」


「おかえり!お父さん!」


家に帰ると人形を抱える萌華が出迎えてくれた

んー、子供っぽい萌華も大好きだ


お!カレーの良い匂いがする


「今日はカレーかな?」


「ふふふ、当たり!」


この会話だけで今日の疲れが吹き飛ぶ

もし、萌華に彼氏なんてできたら私はどうなってしまうのかな?

やめよう、泣きそうだ


「お父さん?」


「いや、なんでも…!!」


??あれ?なんか娘が持ってるうさぎのマスコットどっかで見た事あるんだけど


てか、さっきから耳動いてない?気のせいかな…


「ふー、お父さんどうやら疲れてるらしい」


「?大丈夫?お風呂湧いてるから早く食べて寝たほうがいいんじゃない?」


「そうだね」


娘の作ったカレーを食べて、風呂の支度をする


「じゃあ、お風呂はいってくるよ」


「うん、行ってらっしゃい」


んー、やはり何処かで見た事あるんだよなぁ?

そのうさぎ、まあいいか


風呂に向かう途中、着替えの中にパンツがないことに気がついた私は、またリビングに戻るため廊下を引き返す


「だから!お父さんの前では動かないでっていったでしょ?」


「すまん、ウサ…ついカレーの匂いに反応してしまって…」


リビングから聞こえる話し声にドアノブに掛かる手が止まった


??誰と話してるんだ萌華は


いけないことだとわかりつつも、音が聞こえないようゆっくりと少しだけ中を覗く


「もう!気をつけてね!お父さんや他の人には私が魔法少女なの内緒なんだから!」


「気をつけるウサ…」


娘が、萌華が魔法少女!?

なんという事だ…あの3人の中の一人は萌華だったのか…

これなら、彼氏が出来たという報告の方が良かったかもしれない。

だってそれなら一発殴れば解決だ…


私が悪の組織のトップだとバレないようにしながら、娘に魔法少女を辞めてもらう


これは、ブラック総帥の画面外での戦いのお話

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