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【1章2話下】手掛かりを探しに

今までの奴を大幅に修正しました。

投稿遅れてすみません!


追記:この話に入れる予定だった部分が抜けていたため2話上として投稿させていただきました。

「うーん…何も見つからないな…」



RPGゲームの主人公のような顔立ちをした少年、蛍は瓦礫の山の中を進んでいた。






…つい先程この世界に転移してきた蛍だが…


ついたのは瓦礫の山の中であった。


少し慌てた蛍だったが、冷静に今置かれた状況を確認しようと持ち物を取り出したのである。


そして、いつもとは少し違った自分のスマホを見つけたのである。


そのスマホで女神様と連絡できるという事を知った蛍はさっそく連絡を取った…のだが



『おかしいな…この座標にはは街があるはずなのに…』



と、言っておりこの瓦礫の山の事は全く知らないらしかった。


しかし、女神様から出てきたのは悪い情報だけでは無かった。



『そういえば、少し前にこの近くに別の転移者を送ったんだよね…

その人なら何か知っているかも…』


そんな訳で別の転移者を探し出したのだが…

結局その人もここについては何も知らなかったのである。(蛍も知らなかった女神様の名前を知っていたのだが)






…そして、少しでも手掛かりを見つけるために蛍自身の提案で、桜とは別行動でこの場所を捜索することになった。


あの目立つ桜の木の根元を集合場所にしているので、迷う心配も無い。


そういう言い分で2人は別行動する事になったのだが…




蛍は別の理由もあって別行動を申し出たのである。




1人で…考え事をするために。






────なんで…なんで『あの子(さくら)』がここに居るんだ…?






─────────────



考え事をしながら捜索をすること約1時間。


結局蛍は何も見つけられないでいた。


「うーん…一旦戻ろうかな…?」


『いいと思うよー?』


蛍はもっと遠くを探したい…


そしてもう少し考え事をしたいと思っているのだが…


桜の木を見失って迷子になるのは勘弁願いたい所であった。



「うーん…じゃあ、戻るか。」



…と、そんな理由から桜の木の方を目指して歩き始めた…


その時。




「た、助けて!」



少し遠く離れた所から声が響いたのである。


蛍でもアルニでも、そして桜でも無い全く知らない声。


しかもその声が助けを求めていたのである。



「な、何だ!今の声は!」


『南南西方向から聞こえたよ!』



アルニから報告を受けた途端、蛍は走り出していた。




───誰かが…助けを求めている!




「【灼熱炎バーニング】!」



先程と同じ人物の声がさらに近く聞こえる…



しかし先程とは違い、脳を揺さぶるような不思議な感覚を覚えた。



一瞬遅れて爆発音が響く。



『今、魔力の波動を感知しました!魔法が使われたみたい!』



───魔法が使われた?



今まではあまり実感が無かった。


しかしこの瞬間にようやく異世界に来たという実感が湧く。


【魔法】…ファンタジー小説等ではよく見かけるが現実世界では全く見かけないソレ。



好奇心、恐れ、そして自分の【能力】が使えるようになるかもしれないというワクワクから心臓の鼓動が一気に高まった。



そして1分程は走っただろうか。



『あっ!見えてきましたよ!』


アルニの指摘に周囲を見渡すと…


一人の少女…そして沢山の腐敗した肉の塊が少女を取り囲むように並んでいた。



その肉の塊は人の形を成しており、少女を襲っているようだった。



「大変だ!助けないと!」



蛍は更に走る速度を早める。


そして、走りながらアルニに質問をする。



「アレは…ゾンビか?!」


『はい!たぶん【腐屍人ゾンビ・ヒューマン】だよ!』



人型をした腐った肉。パニックホラー映画等でよく見かけたゾンビであった。


アルニもその考えを肯定してくれたのであれはゾンビで間違いないだろう。



「【灼熱炎バーニング】!」



ゾンビに囲まれている少女が先程聞いた声と同じ呪文を唱える。



すると少女の手から炎の塊が飛び出し、ゾンビの1つに着弾した。



────あれが…魔法。



魔法の炎はゾンビを焼き付くし、炭の塊に変える。



その威力は凄い…が



「…数が全然足りてないっ!」



確かに、1発でゾンビ一体を黒焦げにする威力は凄い。



だが蛍の分析通り、対応出来る数が全然足りなかったのである。



徐々に少女にせまりつつあるゾンビは目測7体程、


あの魔法の速度では全員を消し去る前にゾンビが攻撃を仕掛けてくるであろう。



しかも少女の顔は血が不足しているのかかなり青ざめている。


…どういうわけでああなっているのかは知らないが、

もうすぐ脳に酸素が行かなくなって気絶しそうに見える



「ヤバいな…」



素人目に見ても少女が劣勢なのは明らかだった。



「アルニ…俺はあいつらを倒せそうか?」


まだ少女のいる場所まではもう少しある。



ゾンビの足が遅いので、少女に襲いかかるよりは早く着くだろうが…


着いてからゾンビを相手に勝てるのかどうかが疑問であった。



しかし、アルニは悪巧みをするような声で



『大丈夫だよ。蛍には【能力】があるからね!』



そう、蛍は桜と同じく転移者であるため、特殊な能力が使えるのである。




「【灼熱炎バーニング】!」



会話に割り込むように少女の呪文が響き渡る。



少女の声が先程より近く…枯れて聞こえる…


そして、少女が放った火球はゾンビの一匹を焼き尽くす…が



次の瞬間



「う…あ…」



今まで立っていた少女が足元から崩れ落ちる。



「んなっ?!」



蛍はあわててスピードを上げる…


そして


「…間に合った」


崩れ落ちた少女を地面に頭から落ちるギリギリで抱えた。



「ふう…危な………あ」



しかし、少女を助けようと必死に走っていた蛍…


ゾンビに囲まれていた彼女を抱えられる程近くにいるということは…



そう、蛍はゾンビの包囲を外から突っ切って、その中に入ってしまっていたのである。



「あ、やばいです。外から1匹ずつ倒す予定だったのに…」



これは、少女を助けるために必死になりすぎた蛍のミスである。


───さて…どうしよう…。


じりじり迫ってくるゾンビに恐怖を覚えながら、蛍は戸惑っていた。



『おーい蛍ー?聞いてるー?能力使わないの?』


そこにアルニの間延びした声が響く。



「能力って…【アレ】で使えるの?……後、その声危機感無さすぎない?」


『大丈夫!ちょっとでも蛍は【見た】でしょ?それなら発動できるから。それに、蛍が能力使えばまあ、多分大丈夫だからね。』



アルニの余裕そうな声に蛍は安心感を覚える。

…この人が言うんだったら大丈夫だな… と。



「確か能力の使い方は…スマホを持って…」



そう言いながら蛍はスマホをゾンビに向けて構え、操作する。



「そして…撃つ!




魔道士ソーサラー】起動!」


蛍が、自身の能力名を唱える。


…次の瞬間



『起動!【灼熱炎バーニング】!』



スマホから【倒れている少女が先程詠唱していた呪文】が流れる。



その瞬間スマホから魔法陣が生える。


そしてその魔法陣から【先程少女が使っていた魔法と同じく火球】が飛び出した!


──グギッシャアアアアアアア!!!



火球を食らったゾンビが断末魔を上げながら燃え上がる。




これが、蛍の能力。




【1度見た魔法をスマホを触媒にする事で起動できる能力】




魔道士ソーサラー】なのである。





「一体撃破だ!」



能力が無事に出た事に喜ぶ蛍だった。しかし



『まだ五体居るよ!』


そう、まだゾンビは残っているのである。


そこで、アルニは言う。


『蛍さん、【連続詠唱ラッシュキャスト】って唱えてください!』


蛍はまだ、その言葉はアルニには教えて貰っていなかった。


しかし、蛍はその言葉を前から【知っていた】ような感覚を覚える。


魔道士ソーサラー】の使い方を初めて教えて貰った時と同じような感覚。


そして、蛍はその言葉を唱えた


「【連続詠唱ラッシュキャスト】!」



その瞬間、



『連続詠唱命令承諾!


灼熱炎バーニング】!

灼熱炎バーニング】!

灼熱炎バーニング】!

灼熱炎バーニング】!

灼熱炎バーニング】!』


呪文が五節連続で唱えられる。



その瞬間、五つの火球がゾンビに向かって飛んで行った。


明らかに外れたところに飛んでいく球もあったが…


火球自身にホーミング性能でもあるのか、カーブしたように曲げて全ての火球がゾンビに命中する。


ゾンビの断末魔が響く…。



そして…





辺りは静かになった。



「終わった…のか?」


『辺りに他の敵生成物の反応はないね


……戦闘終了だね。』



案外あっけなかった気もするが…蛍の異時空に来てからの初戦闘が終わった。


大きな充足感が蛍を満たした。


「ふう…結構楽しかったな…」


『勝利の余韻に浸るのはいいけど、その子の心配もしてあげてね。』



蛍はそう言われて、足元の少女を観る。



…気絶している少女は、顔色は真っ青であったが、命に別状はなさそうであった。



「良かった…大丈夫そうだよ…顔色悪いけど…」


『それは良かった…』



2人は安堵の息を吐く。



…しかし改めて見ると綺麗な少女である。


ストレートの金髪に鼻筋が通った顔。


いい所で育ったお嬢様のように見える。


しかし、顔に似合わず着ている物はボロ布と言っていい程のみすぼらしい物であった。


そして、最大の特徴。



「耳が尖っている……エルフ?」


『そうですね。【森精霊エルフ】です。』



エルフ。ファンタジー世界モノの小説ではよく居る亜人である。


基本的には森に居る隠れ里とかに住んでいるというのが相場なのだが…


「この辺には森は無いけど…エルフがここに来て大丈夫なのかな?」


そう、この辺りは瓦礫の山…


木なんて1本しか生えていないのである。



森精霊エルフは木の生命力を吸って生きてますからね…』



どうやら、エルフは木がないと生きていけないらしい。



「とりあえず…桜の木の所まで運ぶか。」



そう聞いた蛍は、エルフの少女を担ぎあげたのである。



────ちなみに…抱え方が悪かったのかおもいっきり当たってしまっていた。(何がとは言わない)


今回は蛍目線の話でした。登場してまだ1話なのに…

うーん…これで良かったのかなぁと結構思ってます。多分高確率で修正する。



初めての評価コメントを貰って舞い上がっています。

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