白魔導師になりたい
理由あって三作目です。
どうぞ宜しくお願い致します。
説明多めの回です。
2015/09/25 誤字修正
2015/09/27 parallel world onlineという名前を他の方が既に使われていたのでゲーム名を変更、それに伴いタイトルも変更いたしました。
+主人公のアバター名を決める場面を追加
+細かいところの言い回しを修正
+通称も変更
2015/10/03 文の書き方を修正
「おおっ! やっと届いた!」
ある土曜日の昼下がりに、俺、百田 元(17歳・高校生)の家にようやく待ち望んていたものが届いた。
それはVRMMORPGとういうジャンルに属するゲーム
《 Miniature garden of God Online 《神の箱庭オンライン》》
通称神箱だ。
VRMMORPGとはVirtual Reality Massively Multi Online Role Playing Game《仮想現実多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム》という仮想現実世界で、自身のアバターを自分自身の体の様に動かして進めていくオンラインRPGだ。
そして、カミハコはそのジャンルの最新作で、1週間後に正式サービスが開始される。
神が箱庭を創るかの如くリアルに発展していく世界をこのVR世界に!
というのがコンセプトのゲームである。
何故こんなにもサービス開始前から注目されているかというと、現実世界と変わらないように暮らすことができる、と説明されているからだ。
RPGであるから、モンスターを倒したり、商人プレイをしたり、更には探偵をやってみたり......など、かなり自由度が高い。
結婚して婚約者と暮らすことなども出来る。
こんなにも自由度が高いのは運営が、アイテム、モンスター、禁止事項等の基本的な事を定めた後に、途轍もなく高性能なスペックを持つシステムAIをシステム上に組み込んだとされるからだ。
勿論定期的にイベントは開催するし、マナーの悪いプレイヤーにペナルティーを課したり等はされるらしい。
しかし、それくらいなのだ。
アイテムは相場制、盗賊プレイも公認。
気が置けない仲間達とギルド設立もでき、ギルドで活動することも出来ると謳われている。
周りのことは気にせずに己の道を突き進んで行くことが可能なわけだ。
それの自由度を上げる要因になっているのが
能力と呼ばれるもの。
これは、一つのアバターに能力を十個までセットできる。
能力には
武器攻撃系の【長剣】【弓】
魔法攻撃系の【光魔法】【闇魔法】
防御系の【盾】【迎撃】
戦闘補助系の【レジスト】【回復魔法】
戦闘外補助系の【採集】【商人】
生産系の【調合】【鍛治】
等々がある。
これらを10個まで選んで組み合わせることによって、唯一無二のスタイル(構成)を築いていくこととなる。
だから、俺を含め多くの人々の心をサービス開始前から掴んで離さない。
俺は白魔導師をイメージしたかのような構成でいきたいと思っている。
「俺は平和主義だからな、うん」
と、1人頷きながらサービス開始までに能力を選んでおく。
サービス開始前に、既に能力を取得しておくのが可能なのだ。
因みに能力を取得するにはSPを消費しなければならず、何の特殊条件もなしに取得出来る所謂初期能力はSPを1消費する。
上位能力へとなっていくにつれ、消費SPは増えていく仕様になっている。
それじゃあSPはどうやって稼ぐんだと言いたくなるだろうが、そこは大丈夫、能力のレベルが10の倍数まで育つとSPを1獲得することが出来る。
アバター作成時に貰えるSPは10なので、10個の能力を取得することが出来る。
俺が白魔導師プレイをする為に取得しようと思っているのは
白魔導師というイメージに必要な【光魔法】
主に回復魔法が使えるようになる、そのまんま【回復魔法】
魔法を連続で打ち込む為の【詠唱短縮】
自衛で近接戦闘もしなければならないので【短剣】
料理を楽しんでみたいので【料理】
回復薬を作る為に【調合】
生産系を補助するための【職人の技】
味方を援護する為の【エンチャント】
より早く敵を倒す為の【観察眼】
魔法職に必須な【知力上昇】
の10個だ。
また、能力には、武技と呼ばれるものと技術と呼ばれるものがある。
前者は戦闘関係の能力で与えられるもので、後者はそれ以外だ。
武技と技術は、能力のレベルが10の倍数になった時に取得出来る。
武技の例として上げるとするなら、【光魔法】の《ライト》や【回復魔法】の《治癒》だ。
技術の例は【調合】の《ポーション作成》や【採集】の《採集数増加》だ。
因みに、俺の構成は公式で発表されている、初期に取得出来る能力の中から選んだものだ。
能力を取得する為には色々な条件がある (最初のアバター作成時に能力を取得する時には必要無い) らしく、【泳法】だと泳ぎ自慢のNPCに教わる、【各属性の魔法】だと入門魔法書を購入する等々……。
色々ある。
取り敢えず、白魔導師になる準備は出来たので、後はサービス開始を待ってログインするだけだ。
カミハコの初回生産分は1万本。
俺は運良く購入出来たが、俺の知り合いにはカミハコを購入出来た人はおらず、初っ端からぼっちになる可能性がある。
まぁ、俺はコミュ障ではないので大丈夫だとは思うけど......
そして、今からは色々な準備だ。
まぁ名前は自分の名前をもじって“オリハンド”とかにしとくか。
次はアバター作成をしないと......
»»»»»1週間後»»»»»
アバター作成は簡単なもので、アナザーダイバーのカメラ機能で四方八方から自分の姿を撮影すれば完了。
顔や体型などは最適化されるらしいので心配はない。
その後、アバターをいじりたい人はいくらでもいじれるようになっている。
そしてサービス開始日なのだが......
「いよいよサービス開始かぁ......楽しみだなぁ!
......けど、どうしようかな......」
そう、実は今俺の頭を悩ませているものがある。
ソフトのパッケージに入っていた謎の紙切れだ。
その紙切れには
ID:dyj37i47frxh73cjiros
と
「注意事項
その1:このIDは50名様にのみ配られております
その2:一度目のログイン時にのみ使用できます
その3:正式サービス開始から24時間以内のみ使用できます
その4このIDを使用すると多大なメリットを得られますが、同じくらいデメリットもあります」
というものが書かれていた。
「うーん......メリットがあるなら使用したいけどデメリットがなぁ......
けど50人にしか配られてないってことはかなりメリットはあるはずだろうしな......」
と、悶々と悩んでいたのだが、結局使用することにした。
「虎穴に入らずんば虎児を得ずだ!」
と腹を括ったのだ。
朝起きた時からそわそわしていた俺は、サービス開始の昼の12時より早めの11時半頃から、カミハコを遊ぶ為のVR機器のアナザーダイバーのヘッドギアを着けて待っていた。
部活があるんじゃないかって?
ふっ
より多くゲームをする為に部活なんか入っている暇はないのだよ!
オタクなめんな!
......まぁ、身体能力が低いというのもあるけど
待ち続けること20分。
11時50分頃に「起動!」と叫んでアナザーダイバーを起動、ソフトの起動選択画面で待つ。
その間にIDも入力しておく。
いまかいまかとソワソワしながら待っていた。
12時になった瞬間にカミハコを起動させカミハコの世界にログインしていった。
ログインすると「始まりの町」という定番の名前の町に出現するようになっている。
1度5感が全てシャットアウトされたような感覚になってから数秒、目を開けると......
「ここ何処だよ......っ!」
何故か巨大な円卓があり、その周りに置いてある椅子に座っていた。
二作目が連載始まったばかりなのに三作目を投稿した理由ですが、二作目と三作目でより面白い方をメイン執筆とし、もう一つをサブとしてサイクル遅めのサブ執筆としたいと思っております。
出来れば二作目も読んで面白い方を教えて下さい。
ご協力お願い致します。
二作目→http://ncode.syosetu.com/n1913cw/
因みに能力はfacultyの略です
2015/09/25 主人公の取得した能力名を【回避】から【瞬速】に変更しました。
2015/09/26 【回避】【瞬速】の立ち位置を変更したために、主人公の取得した能力名を【瞬速】から【職人の技】に変更しました。
2015/10/08 【観察眼】の内容を変更しました。