アイドルユニット 「三匹の子豚」の誕生まで
私は、遠藤なつき。
アイドルに憧れる普通の女子高生である。
巷ではアイドル戦国時代などと言われていて、多種多様なアイドルが活躍してるわ。
私も、一度はあんな経験してみたいなぁ。
と、テレビのアイドル番組を見る度に、そう思うのよね。
無理だろうけど・・・。
だって、こんな顔じゃあね。
鏡にうつった、豚に似ている自分自身の顔を見て、「はぁ~」とため息をつく毎日。
そんな日々が続くなか、ネットで、あるオーディション広告を見つける。
私は普段からオーディションはチェックしてるの。
もちろん私の容姿では合格しようがないって分かってるんだけどさ、お笑い担当とかでもいいからそういう募集がないかとかチェックしてるわけ。
今まで一度も応募したことはないんだけどね。
そのオーディションは、驚くことに、可愛い豚顔のアイドル募集!!
というものだった。
え、何なのこれは?
応募条件を見ると、
年齢:30歳まで
容姿:笑顔の素敵な、明るい豚顔の女性。※求められている豚顔のレベルかどうかは、こちらで判断します。まずは、自己申告でいいので豚顔で、アイドルをやりたいと思っている女性の応募をお待ちしています。
オーディションでの主な審査:会話、歌、ダンス
参加まで:まずは〇月△日までに、履歴書を送付してください。
その後、オーディション日時・会場の案内をお送りします。
という簡単な条件だった。
何か怪しいなとは思ったが、某有名グループと同じプロダクションが企画している。
しかし、それでも怪しすぎると思う気持ちは抜けなかった。
豚顔のアイドルなんて、何よそれ、信じられない。
とはいえ、アイドルになれるのなら、なってみたいという気持ちは大きい。
私は、そのプロダクションのオーディション係りの番号に問い合わせてみた。
受付「はい。Aプロダクション豚顔アイドル発掘プロジェクトです」
なつき「豚顔アイドルについて聞きたいんですけど。」
受付「応募される方ですか。電話が混み合っているので、30秒だけでいいですか。質問は何でしょう。」
なつき「ぶ、豚顔アイドルなんて成立するんですか。」
受付「はい。時間がないので単刀直入に言います。今のアイドル業界は一般的には可愛い子ばかりで、俺らには物足りないという大人の方々がいました。いわゆるブス専と呼ばれる方たちですね。その中でも豚顔好きの方が特に多かったので、アイドルのビジネスとして成立すると思い、企画しました。なので怖がらずに応募してきてくださいね。それでは、これで。お電話ありがとうございました。」
と、あまりにも早く切られたので唖然とはしたものの、それを聞いて応募しようかなという思いが出てきた。
ブス専のアイドルかぁ。
それ考えると複雑だけど、でもアイドルはアイドルなんだよなぁ。
ファンからの歓声とかも浴びたいし。
決めた!
このオーディション受けてみよう!
そこから、私は今までより可愛くなろうと努力し始める。
応募条件には、笑顔の素敵な可愛い豚顔の女性、って書いてあるしなぁ。
最近は、学校でいじめられてて、笑顔にすらなれずほとんど醜い豚顔だったから、
笑顔の練習しないと。
というわけで毎朝、鏡に向かって笑顔の練習をした。
今から間に合うか分からないけど、歌やダンスの練習も、小学校以来、久しぶりにすることにした。
小学生の時は、自分の容姿とか客観視できてなかったから、ママに無理言って、そういう、アイドルになりたい子向けの教室に通っていたのよね。
さすがに高学年ぐらいで、自分の顔じゃ無理なんだわって気づいたけど。
こんな風に、何かに熱中するの久しぶりだ。
それだけ、私は嬉しいのかも。
まだ合格とか言える段階じゃないのに、オーディションの存在にワクワクしていた。
学校では相変わらず、豚のような容姿なのをからかわれたり、いじめられたりするけど、前ほど気にしなくなったなぁ。
でもその分、オーディションが不合格だったら反動が大きくて心の支えをなくして、おかしくなっちゃうかもなー。
そうならないためにも、どうしても私は合格するのよ!
オーディション当日を迎える。
会場には、
そんなに豚かなぁ。普通に可愛いじゃんこの子!
っていう子もいて、自信をなくしそうになる瞬間もあったが、すぐに思い直す。
これはブス専の、特に豚顔専のファンのためのアイドルなんだから、あんな、鼻が少し低いぐらいで豚顔だと勘違いしているような子は受かるわけないわ!
自信を持って、満面の笑みを見せるのよ、なつき!!
と自分に言い聞かせる。
審査では、簡単な自己紹介や会話をした後、
審査員「あなたがこの顔で良かったと思うことは?」
なつき「両親の顔を受け継いでいるのがすぐに分かるってことです。自分の顔と両親の顔を見比べるたびに、大好きなパパとママの遺伝子を受け継いでるんだって思えて、感動します。後は、このオーディションに合致する顔だったということですね。こんな機会を与えられるような、この顔で、本当に良かったと思ってます。」
審査員「逆に、この顔で嫌だったことは?」
なつき「どうしても学校などではブスとか豚扱いを受けてしまうことですね。顔だけで周りの人の態度があんなに違うんだというのを自分の体験や他人の様子も含めて、経験してきました。それで嫌な思いになることもありましたけれども、でも、この顔じゃなきゃ、そういうことを感じられなかったのかもしれないので、この顔なことに感謝しています。」
その後、歌とダンスの審査が続く。
私は、満面の笑みを意識して、最後までやり切った。
心残りがないほど、満足してやれたと思っている。
もし不合格だったとしても、ボランティアでいいから豚顔アイドルユニットの手伝いとかに名乗りでたいなーとか思えるぐらい、心が充実していた。
そして3週間後。
登録していた、豚顔アイドル発掘プロジェクトの番号から、電話が来る。
なつき「は、はい、もしもし。」
係「遠藤なつきさんですか?」
なつき「はい、そうですけど。」
係「おめでとうございます。先日の豚顔アイドルのオーディションに合格しました。」
て、手が震える。
なつき「ホントですか!?」
係「ホントですよ。いろいろと話したいことがあるので、今日の夕方にでもこちらに来れます?」
なつき「はい、行きます。」
そしてプロダクションの事務所に通される。
?「はじめまして。私が今回の豚顔アイドルユニットのマネージャー兼広報やその他諸々を担当する、佐藤ともこよ。」
そこにいたのは、電話の声とは違い、女の人だった。
しかも普通に、目が大きくて、鼻が高くてっていう美人系の人だ。
事務所の人に文句言う気はないけど、女性マネージャーでも、もっと自分たちの容姿に似たようなブスな人だと良かったのになぁ。
とか、ふと思ったりはしたけども、いやいやいやせっかくのアイドルのチャンスだし、そんなこと気にしてられない。
そんな私の様子を見て、
佐藤ともこ「どうしたの? 何か気になることあった?」
なつき「いや、その、ともこさんが綺麗すぎて、この企画には合わないんじゃないかと思って。」
佐藤ともこ「やだ~。私のこと綺麗ですって。うふ。ありがとうね。でも私がこの企画に抜擢されたのは、理にかなっているらしいのよ。後でも説明するけど、この企画には既に固定のファンがいるの。それで自前の劇場でライブしたりするだけでもいいんだけれども、いずれは、ビジネスでもあるし、他の地域の豚顔専の人の需要も掘り起こしたいわけ。そういう時に、使わせてもらうライブハウスや広報の交渉とかは、美人なほうがスムーズみたいなのよ。ライブハウスの運営者とかは、普通の美的感覚だろうから、ある程度美しい私がそういう交渉とか広報をした方がいいのよ。」
それを聞きながら、やっぱりこの人は自分が美人なことに自信があるんだな(汗)、と思った。
佐藤ともこ「でもね。私がこんな美人だからって、あなたたち豚顔の子たちをいじめたりとか、そういうことは絶対にしないから、安心してね。この企画では私はあくまでも脇役で、主役は豚顔の女の子達だから。」
佐藤ともこ「で、本題にうつるけど、これから毎週水曜・金曜の夜と、土曜・日曜は、スタジオ使ってレッスンでも大丈夫?」
なつき「大丈夫です。バイトも部活もやってないですし、彼氏もいませんから」
佐藤ともこ「それは良かったわ。分かっていると思うけど、アイドルになるからには恋人は基本的に作っちゃダメよ。とはいえ、あなたのそういう顔じゃあ、今まで男に言い寄られたこともほとんどないだろうから、本当に素敵な人が現れたら、それが幸せだと思って、コロっといっちゃうのかもしれないとは思うのよね。だからその場合は、きっちりと手続きを踏んでね。」
何だかんだで、この人はブスを無意識にせよ、可哀想とか思っていたり、見下してるんだろうな・・・・とは思えたが、アイドルになれるなら、このぐらいは気にすることはないわと、自分に言い聞かせる。
佐藤ともこ「というわけで、今度の土曜に合格者の顔合わせがあるから、楽しみにしててね。あ、そうだ。言い忘れてた。遅刻や無断欠勤といった社会人としてのルールを守ってもらうほかに、他にも守ってもらうルールがあったわ。」
なつき「なんでしょう?」
佐藤ともこ「それは、笑顔を絶やさないこと!! ファンの人がいくら豚顔専とはいえ、笑顔の素敵な、明るい豚顔を見ていたいらしいのよ。あなたはそういう顔だから、普段の生活で嫌なこととかあると思うけど、アイドルなんだから、少なくともイベント中はブスっとした醜い豚顔にはならないこと!!」
佐藤ともこ「もう1つは、今のと少し似てるんだけど、仲間との雑談でも、普段の辛い経験の話とかしないこと。言葉って言霊っていうか、ネガティブな感情とかもすぐに伝染してしまうのよ。それこそ同じような豚の顔で、同じようないじめられてる経験を皆が話し出したら、あっという間に、この企画はつぶれてしまうわ! だから今言った2つのことに注意してね。一発退場ではないけど、厳重注意になって、2回目が見られたら、さすがにその時は解雇だから。そこはアイドルらしく振る舞ってね。家で1人でいる時には、愚痴をいっぱい言ってもいいけど、人に見られる場では、自分がアイドルってことを意識してね。」
まだ、レッスンも何もやってないから、アイドルって意識できないんだけどなぁ・・・・。
とは思ったけど、それを聞いて、私は今以上に頑張ることとした。
そして土曜日。
合格者10人の初めての顔合わせ。
自分もだけど、皆も合格してきただけあって、笑顔の素敵な豚顔の女の子達である。
それぞれ自己紹介し、さっそくレッスンの開始となる。
その中の1人、片岡ちえみと仲良くなる。
ちえみは、背がすらっと高く、スタイルがいい。
聞けば中学校時代は、マラソンの代表選手だったとのこと。
ただ、顔は、目が細く、鼻も上向いてて、立派な豚顔である。
おそらく、ちえみは顔が普通以上ならモテてるんだろうな・・・とかふと思ったが、いやいやいや、ここではそんなこと考えちゃいけない。
私は豚顔好きな人に癒しを与えるアイドルという存在になるんだから、他人の顔とはいえ、そんな風に思っちゃいけない、と自分に言い聞かせた。
そして、レッスンも3か月ほど続いた時に、初のライブの発表がされる。
記念すべき初めてのライブである。
初めてのライブということで、来場するお客さんは、豚顔好きの人たちだが、
初ライブでこけてしまうと、その人たちからの支持も無くなってしまいアイドルとしての運営が難しくなる危険性もあるので、みんなで、当たり前だけど気合入れてレッスンしてた。
そんな中、初ライブを3日後に控えた夜のこと。
わたしと、ちえみは遅くまで練習していた。
そして更衣室で着替えている時に、それが起きた。
なつき「いよいよ3日後だね。緊張するね。」
ちえみ「そうね。緊張するけど、楽しみではあるわ。」
なつき「今までの成果を見せれば大丈夫よね。」
ちえみ「大丈夫よ・・・。」
ちえみ「やっとこの時がきたのね。私が表舞台に上がれる時が。」
と、ちえみは独り言のような口調になった。
ちえみ「小さいころから、周りからブス扱いされてた、あたしの人生が変わるのよ。」
ちえみ「ブスでもせめて太らないように、スタイルの維持はしっかりしたし、運動もしっかりやって、県の代表選手になった。」
ちえみ「でも、恋愛の方はことごとく玉砕。決まって言われることは、ブスとか、豚みたいで無理ってこと。」
ちえみ「母親は母親で、あなたにも素敵な人が見つかるわよとか無責任なこと言っちゃうけど、誰のせいでこんな醜い顔に産まれてきたんだっつうの。」
ちえみ「でも、これで終わりだわ。豚顔好きっていう特殊なファンの人たちではあるけど、私は3日後から歓声を浴びる存在になるのよ!」
ちえみの負の感情の独り言を聞きながら、わたしと重なるところもあるかなと思ったりし、ちえみもこれだけ苦しんでたんだなと同情の気持ちも出てきた。
しかし、こういうこと人前で言っちゃいけないんじゃなかったのかな!?
その瞬間、更衣室のドアが開く。
見ると、普段の美人の顔ではなく、鬼のような形相をした、ともこさんが入ってきた。
佐藤ともこ「ちえみ。また、やってしまったのね。これで2回目よ。どうなるか分かってるんでしょ!!」
ちえみ「ゆ、許してください。ちょっと初ライブが近くなってて、感情が爆発してしまったんです。」
佐藤ともこ「言い訳は無用よ。あなたは解雇ね。」
ちえみ「そ、そんなぁ~っ。」
と、ちえみは泣き崩れる。
なつき「2回目とは?」
佐藤ともこ「この子、入りたての頃も、他の子と話してる時に、こういうことあったのよ。その時に、次はないのにって厳重注意したのに、バカな子よね。現実世界ではブスとか豚扱い受けてるかもしんないけど、あくまでここのアイドルの世界ではファンの方は可愛い豚顔の子を待っているんだから。だから、豚顔であることをネガティブに思うようなことを2回も言っちゃう人はね、それだけ根が深くて、今後も同じことを言って周りに悪影響与えるだろうから、解雇よね。」
なつき「でも、ちえみもここまで頑張ってきたんですし。」
その瞬間、ともこさんの鬼の形相がこちらに向く。
佐藤ともこ「なに? あんた、ちえみをかばうの?」
ともこさんは鬼の形相から、更に、養豚場の豚を見るような目に変わっていった。
佐藤ともこ「ちえみをかばったら、あんたも同罪になるわよ。」
佐藤ともこ「あんた、こんな、ちえみみたいな外見も中身も醜い雌豚のせいで、アイドルになれなくてもいいの!?」
そこまで言うことはないだろうよ・・・と思ったが、
なつき「いや、もちろん、アイドルになりたいです。」
佐藤ともこ「そうよね。じゃあこんな雌豚放っておきなさい。この雌豚とは話をつけておくから、あなたは先に帰りなさい。こんなことがあったけど3日後の初ライブでは笑顔を作ってね。ぶすっとしてたら、厳しいこと言うようだけど、あんたもちえみと同じになっちゃうからね。ユニットの編成とかは調整しておくから。」
わたしは家に着いてから、今日の出来事を振り返り、布団を涙で濡らした。
しかし、いつまでもこの気持ちでいるわけにもいかない。
わたしはアイドルになることを目標にやってきたんだ!
今回のことは辛いけど、気持ちを切り替えていかなきゃ!
アイドルになったら、今回よりも辛いことは起きるだろうし!
これぐらい乗り越えなきゃいけない!
ということで、寂しさは残るが、翌日も朝から笑顔の練習を鏡でしていた。
初ライブは大盛況だった。
豚顔好きの人って、どういう人たちだよ?と不安に思ってもいたが、本当に普通の人達だった。
私が人の容姿について評価するようなことはおこがましいけど、男性ファンの中にイケメンがチラホラ、フツメンも多かった。
こういう人達が、意外にも、豚顔好きなんだ。
安心したな。将来的に、ファンの人と結婚とかできたらいいかなという想像もして、
レッスンをこれまで以上に頑張ることとした。
初ライブから1か月が経ち、
週に1回のライブも順調にこなせていた。
そこで3日間の休みをもらえたので、久しぶりに、ちえみに会ってみようかと思った。
さすがにプライベートで会う分には問題ないだろうし。
もちろんどこで誰に見られているか分からないので、会話の内容には注意するけど。
以前、ちえみと連絡取り合ってた時に、
ちえみ「わたしの家は、F駅の近くだよ。改札を出て左に曲がって、本当にすぐだから、機会があったら遊びにきてね。」
って言われてた。
だから、せっかくのオフにF駅まで行ってみることに。
そこで、ちえみに会えるかどうかは分からないけどさ。
会えなかったら、近くの店でショッピングでもすればいいし。
F駅に着き、左に曲がると、大きい立札がかかっており、
そこには、【片岡ちえみ 17歳】と大きく書かれ、下には通夜、葬儀の日程が書いてあった。
わたしは何が起こっているのか、実感できなかった。
そこで、近所の人に聞いてみる。
なつき「すいません。私、昔、ちえみちゃんと友達だったんですけど、ちえみちゃん、亡くなったんですか!?」
近所の人「そうなのよ。シクシク(泣)。1か月ぐらい前から家に引きこもるようになっちゃって、今日の朝、家族が朝食を置きに行った時に、部屋で首を吊っていたらしいの。愛嬌があって、中学生の時には陸上で県の代表選手にもなるような活発な子だったのに、何でこうなっちゃったのかしらねぇ。」
わたしは、何だかんだで、ちえみと会えるだろうと思って来ていた。
会えなくても、今日は無理だから、この日に来てとか連絡が取れるだろうと思っていた。
わたしは、その晩、部屋で大泣きした。
次の出勤日の朝一番に、わたしは、ともこさんに話した。
なつき「ちえみが死んじゃったみたいですよ。」
佐藤ともこ「知ってるわよ。それが?」
なつき「それがって?」
佐藤ともこ「だから、それがどうしたの?って。」
なつき「悲しくないんですか。しかもあんなことして。」
佐藤ともこ「人聞きの悪いこと言わないでよ。悲しいわよ、もちろん。でもね、私がしたことと、自殺には直接の因果関係はないじゃない。同じことが起きても、自殺しない人はしないし、する人はする。そんなことを私のせいにされても困るわ。」
なつき「そ、それはそうかもしれませんけど。」
佐藤ともこ「あなたは、ちえみちゃんと仲が良かったからね。そう思ってしまうのも分かるわ。ただ、あなたね最近頑張ってて、ファンの中でもあなたの人気は高いのよ。だからさ。アイドルになれないで死んでいった、ちえみちゃんの分も私が頑張らなきゃって思って、頑張りましょうよ!!」
その、ともこさんの言動を聞いているうちに、やっぱり芸能界って怖いところだな~と思えた。
とはいえ、ともこさんの考えに洗脳されたというわけではないけど、死んだちえみの分も私が活躍しようという気持ちになっていった。
そして半年後。
ファンによる人気投票が開かれ、私はトップ3の座を手にする。
トップ3になったため、ユニット単体としての活動が増えてきた。
そのユニット名は、「三匹の子豚」である。
わたし含め他の2人(ひとみ、まいこ)も最初聞いたときは、ゲンナリしたが、一瞬でアイドルモードに変わった。
三匹の子豚のライブ
ひとみ「みなさ~ん。こんばんはブヒー」
観客「ブヒー!!!!」
まいこ「あらあら、豚さんの声が足りないブヒね」
観客「ブヒー!!!!!!!!!!!」
なつき「今日も私たちの魔法で、楽しんで立派な豚になってブヒブヒ楽しんでブヒ。それ豚にな~れ。」
とステッキをかざすと、観客全員がその場で四つん這いになり、ブヒブヒ鼻息荒く、鳴きはじめた。
たぶん一般人が見たら、アイドルも豚みたいなブスだし、観客も頭がおかしいしってことになるんだろうけど、私たちもファンも楽しいから、それでいいじゃない。
ってことでニッチな分野のアイドルなのは分かるけど、アイドルになれて良かったわ。
ここまで来るまでいろいろあったけど、それも良い経験だったと思うの。
これからの目標は、アイドルやりながらも同時進行で素敵な人を見つけることかな。
これを読んでる豚顔好きな人は、ぜひライブを見に来たり、ファンクラブに入ってね(^0_0^)
おおまかなストーリーを頭に入れていたつもりだったんですが、考えながら書いてたら、200分以上かかってしまいました(汗)。まだまだ、途中でいろいろな設定で話を変えられるかなとも思いますね、この作品は。
というわけでこの小説のテーマでもありますが、ブス専アイドルというかできれば豚顔のアイドルグループとかあったらいいなぁと自分は思ってます。
一般的な基準の可愛い系のアイドルグループ見てても、
惹かれないんですよね。
かといって、たまにポッチャリ系アイドルとかも出たりしますけど、
顔は普通レベルというか豚顔ではないので。
だから、現実世界でできるかどうかは分かりませんが、
同志が何人かいれば豚顔系のアイドルユニットも作れるのではないかという妄想とかしたりですね。
とか思いながら、
実際、日本の男性で豚顔好きな人ってどれぐらいいるんだろうな?
とか疑問に思ったり。