プロローグ
バチバチ。激しい火花が散っている。
「はあ!? いつも部活の方では負けてるくせになに偉そうに語ってんの!?」
「そっちこそ! 部活だけで、成績じゃ勝率負けてるくせに!」
あるファミリーレストランの一角。
違う制服を着た学生が二グループに分かれて言い争いをしている。一方は、桜の花びらを模したマークの中に『紅』の一文字が入った校章を付け、もう一方は、六角形の、雪の結晶を模したマークの中に『花』の一文字が入った校章を付けている。
「あんなテスト漬けの毎日ならそりゃ成績も上がるでしょうね!」
「それを言ったらそっちもじゃないの!? 課題漬けの毎日!」
いつ暴力を使った喧嘩になるか分からない状況に、他の一般客は腰をあげ始める。「すみません。お勘定お願いします」、と、一人が立ち上がると、また一人、さらに一人とどんどん客が減っていく。
「そっちのテスト漬けよりはまだましだよ!」
「そのせいで部活時間制限されてるっていうのによくそんなことが言えるじゃない!」
「その時間制限がある学校の部活に負けてる学校の人にそんなこと言って欲しくない!」
「よく言うよ! 時間制限があるからたくさん勉強できるはずの学校が、時間制限されてない学校の人に負けてるのにさ!」
完全に、営業妨害だ。言い争いが始まって三分で他の客が全員出て行ってしまっていた。食器の中にまだ料理が残されたままのものもある。
「このっ!」
食器が一つ宙を舞い、言い争いをしていた一人の学生の顔面に当たった。
「やったなあ!」
バン! と、今度はさっきとは反対側にいた学生に命中。
「あの、お客様!」
店員も止めにかかるが既に火が点火されている。止めようと割って入った店員は突き飛ばされ、脇で声をかける店員の声はむなしく響くだけでなんの効果もなさない。
結局、その場を収めたのは突入してきた警官達だった。




