降ってくる過去
私、加賀屋りんと二階堂春は今から2年前、
中学1年生の夏から付き合っていた。
春は野球部で私はマネージャー。
私は春の一生懸命さと優しさに惹かれて
夏の合宿の時に
思いを伝えることにした。
あの日のことは今でも忘れられない。
「ねぇ、春、ちょっと外きて?」
「え?おぅ。」
そういって春を連れ出した。
夏と言ってもまだ7月で、外は少し肌寒かった。
「寒くね?これ着ろよ。」
「いいの?」
「おぅ。」
春の腕には鳥肌が・・・。
暑がりじゃないじゃん・・・。
「やっぱりいい、春、どうして
そこまで優しいの?」
「・・・好きだから、りんのこと」
「・・・えっ?」
「好きだよ、りん。」
春の顔は真っ赤だった。
ホントに春が私のこと好きなの・・・?
「・・・返事は?」
「うっうん、私も、春のこと・・・好き。」
「・・・まじ?」
「うん。」
春はずっと照れ笑いをしていた。
あの顔は今も変わっていない-・・・。
そして中3の秋、9月に春をふった。
理由は絶対言えない。
春と一緒に行こうとして、必死に勉強した。
だけど勉強は辞めた。
進路を変えて、春と一緒にならないようにした。
春とはあれから1回も話していない。
新しい生活が始まっていった-・・・。