表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元社畜はウィンドウで楽しい転生ライフを満喫中! ~ゲームのシステムを再現した万能スキルで、異世界生活を楽々攻略します~  作者: 鳥助


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/75

69.攻略法を探る(2)

 さっきの方法ではダメだった。だから、違う方法を模索しないといけない。


 冒険者っぽいことでは反応はあったけど、劇的に変化するってことはなかった。冒険者っぽいことでも上がりそうだけど、シグナさんは別の角度から攻めていった方がいいと思った。


 でも、どうやって……。


「リオ、どうした?」

「えっ? いや、ちょっと考え事を……」

「こういうのは考えずに動いた方がいい。動いただけ、報酬が変わる」


 おっと、そうだった。今は食料の調達をしているんだった。それをやりながら、考えを巡らせないと。


「じゃあ、次は……」


 マップを見て、どこに何があるか確かめる。すると、川の方で反応があった。これは……川ガニ?


 私は川に近づき、覗いてみる。だけど、見えるのは石ばかりで食料になりそうなものはなかった。


「もしかして、川ガニを探している?」

「えっ? 分かるの?」

「あぁ。昔、良く捕まえていたから」


 どうやら、本当にここには川ガニというものが生息しているらしい。


「焼いて食べたり、汁物にして食べたり……美味しい食材だ。冒険者ギルドでもそこそこの値で取引されている」

「へぇ、そうなんだ。だったら、捕まえてみようかな」

「捕まえてみるといい。だけど、探すのは一苦労」


 確かに、一見したらどこにいるか分からない。だけど、私にはマップ機能に備わった詳細表示機能がある。これを使えば、どこに潜んでいても一目瞭然なはずだ。


「見てて、沢山捕まえてくるから」


 私は靴と靴下を脱ぎ、川の中に入った。


「冷たい! でも、気持ちいい! シグナさんも入る?」

「リオの邪魔をしたくないから、ここで待ってる」


 川に一緒に入ってキャッキャウフフをしたかったが、今回はお預けのようだ。だったら、川ガニを探しに専念しよう。


 マップを表示させると、拡大させる。すると、5m範囲にまで拡大することが出来た。えーっと、ここで反応があるのは……あっちか。


 マップで川ガニの反応を調べ、そちらに近づく。印の前にたどり着くと、川を覗き見る。


「うーん。この辺にいるんだけどなぁ……」


 上から眺めるが、中々見当たらない。だけど、この辺りにいるのは確かだ。もっと良く目を凝らしてみると……違った形をした石を見つけた。


「これは?」


 恐る恐る手を入れて突いてみる。すると、石が動いた。もしかして、これが川ガニ?


 もう一度突いてみると、石が動いてハサミになった。間違いない、これが川ガニだ。


「大きいなぁ……」


 甲羅の直径でも10cmはありそうだ。これだけ大きいと、ハサミの力も強そうだ。このまま手を伸ばせば、ハサミで挟まれて大惨事になる。


「えっと、確か……後ろの方から……」


 手を入れるのならば、絶対後ろの方からだ。そっと、川に手を付けて、後ろの方を掴む。持ち上げようとすると、川ガニがハサミをむき出しにしてきた。


「うわっ、怖い!」


 ハサミに挟まれないように慎重に持ち上げる。すると、川ガニが川から持ち上がった。


「捕まえた!」


 両手で持ち上げると、元気の良い川ガニがハサミをチョキチョキと動かしていた。


「シグナさん、見て! 捕まえた!」

「もう見つけたのか? 早いな」

「凄く大きくて、ビックリした」

「それくらいが標準サイズだ。もう少し大きな川ガニもいる」

「へぇ、そうなんだ」


 川ガニを持って、川岸に近づいていく。とりあえず、近くてシグナさんに見てもらおう。そう思って、川岸に上がろうとすると――。


「あっ」


 ずるりと滑りそうになり、体勢が崩れる。


「リオッ!」


 すると、シグナさんの手が伸びてきた。が、それは必要なかった。なんとか、踏ん張れたからだ。


 だけど、その代わりに――。


「……」


 シグナさんの伸ばした手が川ガニの前で止まり、川ガニが思いっきりその手をハサミで挟んでいた。


「シグナさん、手! 手!」

「あぁ……。痛いな」

「痛いな、じゃないよ! すごく痛そうだよ!」


 めちゃくちゃ痛そう! 慌てて川岸に上がり、そのハサミを掴んで外そうとする。だけど、思いの外力が強くで外せない。


「大丈夫」


 シグナさんは落ち着いた様子でそういうと、片手でハサミを取ってしまった。


「ほら、ね」


 そう言って、手を見せてくるが――血が出ている。


「ほらね、じゃないよ! 血が出ているよ! 止血しなくっちゃ!」


 やっぱり、凄く痛そうだ! 血を止めることを考えると、とっさに体が動いた。


「じっとしてて!」


 私はシグナさんの手を両手で掴み、傷口を確かめる。川ガニのハサミの跡はくっきり残り、じわじわと血が滲んでいた。


「リオ?」


 その声を聞く前に、私は顔を近づけていた。


 ぺろり。


 舌に、ほんのり鉄の味が広がる。血の味だ。


「……っ」


 構わず、もう一度。傷口に沿って、ゆっくりと舐める。血を吸い取るように、丁寧に。


「これで……」


 もう一度、最後に軽く舐めてから、口を離した。血は、止まっている。ちゃんと止血できた。


「よし。止まった」


 満足げにそう言って顔を上げると――。


「…………」


 シグナさんが、完全に固まっていた。


 口はわずかに開き、目は瞬きを忘れたように見開かれている。まるで、時間が止まったみたいだ。


「……シグナさん?」


 返事がない。


「あ、あれ?」


 嫌な予感が、背中をぞわっと走る。もしかして……。もしかして、やり方がまずかった?


「ご、ごめん! とっさで! 血が出てたから、その……!」


 慌てて弁解しようとした、その瞬間。


 ピロン。


 軽い通知音が鳴り響いた。視界の端に、見慣れたウィンドウが浮かぶ。


『シグナ・ヴォルグ 好感度 3アップ、愛情度 5アップ』


「……え?」


 思わず、声が漏れる。


 慌ててシグナさんを見ると、ようやく我に返ったように、こくりと喉を鳴らした。


「……リオ」

「な、なに?」


 低い声。でも、怒っている感じではない。


「……次からは」


 一拍、間が空く。


「……一言、言ってくれ」


 そう言って、目を逸らされた。顔が赤いような……


 何かやっちゃいました?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>『シグナ・ヴォルグ 好感度 3アップ、愛情度 5アップ』  幼女に手をペロペロされて、これ?  すぅーーーーーー(深く息を吸って)  ヘンタイだーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ