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元社畜はウィンドウで楽しい転生ライフを満喫中! ~ゲームのシステムを再現した万能スキルで、異世界生活を楽々攻略します~  作者: 鳥助


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51.クエストを求めて

 他人と関わることで、何かが動き出す。その事実を、ルメルとのクエストを通して、私ははっきりと実感した。


 これまで起きた口論や討論も、思い返せばすべて、自分から踏み出した結果だった。声をかけ、行動したからこそ、イベントは発生したのだ。裏を返せば、自分から動かなければ何も起こらない。


 この世界には、まだ表に出ていない要素が数え切れないほど眠っている。人との関係、場所、選択。その組み合わせ次第で、きっと新しい展開が生まれる。


 そう考えた瞬間、胸の奥がざわついた。じっとしているなんて、出来るはずがない。


 何事も挑戦してみたい。関わって、選んで、動いて、そしてイベントを起こす。その先に何が待っているのか、自分の目で確かめたい。


 そんな高揚感を胸に抱きながら、私は今日も学校へと向かっていく。


「おはよー!」


 今日も元気良く、挨拶をしながら教室に入っていく。


「リオ、おはよう!」

「おはよ! ねぇ、何か困ったことない? 私が解決するよ!」

「ど、どうしたのリオ……。そんな急に言われても……」

「じゃあ、君は?」

「いや、特に……。って、リオは親切の安売りしている?」

「安売りじゃないよー! イベントが起こるかもしれないんだよー!」


 私が積極的に関わっていくと、クラスメイトが警戒しだした。


「また、何かやろうとしているの?」

「この間のバトルと良い……リオは一体何を求めているんだか」

「どんなことでもいいんだよー! なんかない!?」

「そんなことが頻繁にあってたまるかー!」

「リオの言動そのものがイベントだよねー」


 くっ……クラスメイトのノリが悪い。もっと、色んな事があってもいいと思うのに!


 ……いや、ここで諦めて堪るか。絶対どこかにイベントが潜んでいるんだ。それを見つけるには……心のウィンドウで本心を探ることだ!


 さぁ、私の前で本心をさらけ出せ!


『今日のリオも面白いなー。ってか、ここんところ良く絡んでくるけれど、どうしてだろう?』

『本当にリオって見境(みさかい)なく絡んでくるね。まぁ、そこが良いと思うんだけど……』

『リオに相談……。いや、そんなことしたら何があるか……』


 むっ、最後の方にイベントの気配がする。これは、悩み事がある感じかな?


 私はそのクラスメイトの肩に腕を絡めた。


「な、何っ?!」

「ねー、何か悩み事があるんじゃない? 顔にそう書いてあるよ」

「べべ、別にっ!」


 コソッと耳打ちをすると、その子は挙動不審になった。これは、もっと押しを強めればいけるか?


「相談するなら今のうちだよ。安くしとくから、私に相談しとき」

「リオの変な言い方が気になる……。だけど……」


 その子は戸惑いつつも、意を決した顔になった。


「えっとね、友達に借りたペンを壊しちゃったの。それで、新しいのを買ったんだけど、壊しちゃったことをいう勇気がなくて……」


 ははーん、なるほど。そういうことか。


「だったら、力になれると思うよ」

「ほ、本当!?」


 その子がパッと表情を明るくした時、通知音が鳴った。


『クエスト発生! クラスメイトの気持ちを伝えろ!』


 やった! 思った通りにクエストが発生した! やっぱり、私の見立ては正しかったんだ!


 さて、問題はこのクエストをどうやってクリアするかだよね。成功条件はきっと、二人が仲良しで終わりました、っていう形が最良だと思う。そうなると、ペンを貸した子の気持ちが大事になってくるね。


「やっぱり、壊したことを伏せた方がいいかな?」


 と、その子が戸惑いがちにそんなことをいった。新しい物を買ったんだから、言わなくたってばれない。そう思ったのだろう。だけど、これは気持ちの問題だ。


「多分、言わなかったら気づかないと思うよ」

「そ、そうだよね!」

「でも、それでいいの? 君は壊したことをずっと伏せていられる? 黙っていられる?」

「あっ……それは……」


 図星をつくと、その子は戸惑って目を伏せる。


「大事なのは、ペンが無事に返せることじゃない。その子に対して、嘘を言っていないかって事なんじゃない? 嘘を言ったら、苦しくなるのは自分だよ」

「……うん、そうだよね」

「ちゃんと言って、謝れば大丈夫だと思うよ。だから、勇気を出して言おうよ」

「……うん、そうする。えっと、リオも付き合ってくれる?」

「うん、もちろんだよ!」


 その子は私の話を聞いて決意してくれたみたいだ。これで、きっとスッキリと終わってくれるはずだろう。


 その子に連れられて、その友達の所へと行った。その子は正直にペンを壊したことを話し、素直に謝った。すると、ペンを貸した子は、怒らずに話を聞いてくれた。そして、弁償したならそれでいい。と、その子を許してくれたのだ。


 二人はまた仲良しに戻り、とても楽しそうに話を始めた。そこで、通知音が鳴った。


『クエストクリア! クラスメイトの気持ちを伝えろ!』


『クラスメイト 好感度4アップ、愛情度1アップ』


『クエストクリア報酬 300ポイント』


 来た! クエストクリアの表示だ! 好感度が上がったし、珍しく攻略対象者以外で愛情度が上がった。それに、ポイントが300も! これは美味しすぎる!


 やっぱり、クエストは攻略対象者以外にでも発生するんだ。だったら、何かあるかもしれないと探った方がイベントをこなせるかもしれないということ。


 ふっふっふっ、これから色んな事に首を突っ込んでやる! そして、好感度も愛情度もポイントもガッポリ稼ぎまっせー!


 そんな風に意気揚々と自分の席に戻ると――。


「おはよ、リオ。見てたよ。仲を取り持っていたね」


 とても嬉しそうな顔をして、ルメルがそんなことを言った。だけど、それだけじゃなくて――。


ピロン


『ルメル・エリアミル 好感度1アップ、愛情度1アップ』


 何故だか、ルメルのパラメーターがアップした。えっと、他人の面倒を見ただけでルメルの数値が上がった?


 まだ、私の知らないパラメーターの上げ方があるんか!

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>何故だか、ルメルのパラメーターがアップした。えっと、他人の面倒を見ただけでルメルの数値が上がった? >まだ、私の知らないパラメーターの上げ方があるんか! 小波「それなら、この辺に爆弾を置いときます…
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