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第二章 善人令嬢の仮面


 王太子フェルディナント殿下の舞踏会に出席するため、私は笑顔を練習した。


「こんにちは、お元気ですか? お花、綺麗ですね!」


 鏡に向かって、何度も繰り返す。

 元々のミランダは高慢で、平民を馬鹿にし、貴族の集まりでも辛辣な発言で周囲を凍らせていた。

 だからこそ、今夜は──


「ルイゼットさん、そのドレス素敵ですね。似合っていますよ」


 ヒロインにさえも優しく接する。

 ルイゼットに声をかけた途端、舞踏会場に驚きの声が巻き上がった。

 王太子の婚約候補であるミランダが、平民に優しく話しかけたことなど、かつてなかったからだ。


「あ、ありがとうございます、ミランダ様」


 ルイゼットは、戸惑いながらも礼を言ってくれる。


 ──うまくいっている。


 私は追放されない。孤独にもならない。

 善人になれば、誰かに愛されるはず。

 そう信じて、私は仮面をかぶり続けた。



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