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人間失格のような何か

作者: あああ

初投稿です。大目に見てください

夜の帰り道


満月よりも白く冷たい街灯が私を照らす。その下を歩く私の影は、まるで他人のように私から逃げていく。

何故でしょうか。毎日私がなぜこんなことをしているのかが分からなくなります。

なぜ私がこんなにも満たされないのか。

なぜ私が周りに馴染めないのか。

違う。馴染めないわけではないのです。逆に馴染みすぎてしまっています。人の輪に入れば、期待される役割を演じ、自然と場を和ませてしまう。それは無意識のうちに身についた技術でした。けれど、その瞬間ごとに自分が遠ざかる気がするのです。隠れようとすればするほど目立ち、他人を笑わせ、それに対する快楽を得てしまいます。


常人なら十分満たされているとお考えになるでしょう。何故でしょうか。私はそれが嫌で嫌で仕方がないのです。笑い声が響くたび、胸の奥に空洞が広がる。誰かが喜ぶたびに、私は自分が空っぽであることを知るのです。


私ですら本当の私を理解できていません。それが怖いのです。ただしそれを湯気立つ鍋に蓋をするようにスッと抑えて生きていくでしょう。そして蓋をした鍋の中で煮え立つ何かが、静かに音を立てています。それは怒りなのか、悲しみなのか、あるいはただの空虚なのか。私はその正体を知りたいのか、それとも永遠に知らずにいたいのか、自分でも分からないのです。

…いや分からない方が良いでしょう。

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― 新着の感想 ―
確かに太宰さんの人間失格に似てました! このような作品とても大好きです。これからも応援してますね!
確かに太宰治の人間失格のよう文章ですね 良い文章を読ませていただきありがとうございました 初投稿とのことですが、これからの投稿を楽しみにしています
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