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3−5 魔法練習続き

 デボラもクロちゃんも水玉魔法を練習している。水生成と形成の工程をしっかり練習するという事だ。これが出来ないと次のウォーターシールドがそもそも成立しない。クロちゃんはこれを触れながら壁状にする事で期末試験をクリアする予定だ。じゃあデボラがウォーターシールドを問題なく出来るかと言えば…デボラがウォーターシールドを作ると、数秒で壁が崩れる。

「アイスちゃん、なぜ初級魔法が駄目なのに氷結魔法に進もうと思ったの?」

「凍らせれば崩れないだろっ!文句言うなよ」

「間違いなく里の人達は全員文句言ってたでしょ?」

ぐぬぬ、とデボラは歯ぎしりをした。クリスティンはゆっくりとウォーターウォールを唱えると、そのまま水壁を維持し続けた。

「ほ~ら、これをあなたの水玉で壊してごらんなさい」

「こんなの簡単だーっ」

ぼしゃん、と壊れるのは当然デボラの水玉だ。次にクリスティンはウォーターランスを唱える。

「これならどう?」

「簡単だーっ」

もちろん、ぼしゃんと壊れるのはデボラの水玉だ。

「なぜに…」

「もちろん、あんたがアホやからや」

「ゴリラっ、あんたに笑われる謂れはないっ」

「じゃ、水玉勝負やね」

ぼしゃん、と壊れるのはデボラの水玉だ。

「ゴリラにも負けるなんてーっ」

「まあ、これは私が一番長く練習してるから当然だよ。あんたも頑張るんだね」

クリスティンが見るところ、ジャッキーの水玉には強化魔法に近い表面強化の魔力が展開されていた。そこは普通に制御して欲しいんだけど、と思ったがそこはジャッキーの家庭教師の仕事だ。


 ここでクロちゃんの練習を見ると、ウォーターボールには十分な量の水は発生しているが、固めるのは苦労していた。魔法制御を水に纏わせる事が出来ないんだ。水桶でも作るか、とクリスティンは書き付けを見ながらアイスウォールを唱えた。形成時に工夫をして、氷の浅い桶を作った。

「こら、地味子!私にやらせろ!」

「アイスちゃん、水玉勝負」

クリスティンが作る水玉に対してデボラも水玉を作るが、もちろんデボラの水玉がぼしゃんと割れた。

「これがもう少し上手くなったら、ウォーターシールドでしょ。アイスウォールはずっと後だよ」

「くそーっ地味子が虐める!」

「虐めてないでしょ。基本が出来てないって言ってるだけ」

デボラはしぶしぶ水玉を維持する練習を再開した。クリスティンは先ほど作った氷の桶を水で満たした。

「クロちゃん、この水を魔力で上下させてみて」

「え、どうしたら良いかわからないんだが…」

「水面に手を付けて、上下すると波立つでしょ?それを手を止めて魔力で上下させるの。とりあえずやってみて」

もちろん、器用な訳ではないクロちゃんにすぐに出来る訳がなかった。

「どうにもならん…」

元気のないクロちゃんの頭をクリスティンは撫でた。

「指から水の冷たさを感じて、それが時間が経つにつれ体温と同じになるでしょ?そのぬるま湯が自分の一部と思って、魔力を通してみるの。そして上下する様に魔力を動かしてみる。すぐには出来ないけど、少し練習してみて」

「ごめん、すぐには出来そうにない」

「両手の間に魔力が流れて、その間を動かそうとするのも良いかもしれない」

「色々やり方があるんだな」

「覚えてしまえば簡単なんだけどね」

クリスティンはもう一つ氷の桶を作り、水で満たす。それに手を付け、手を持ち上げると水が玉状になってついてくる。

「つまりこれが水玉の維持だからね」

「ああ、玉が作れないからまず動かす練習をする、という訳か」

「そう。まあゆっくり練習して」

「地味子っ!私もそれやりたいっ!」

仕方がないので氷の桶をデボラの方に持っていく。

「水は自分で出してね」

「そんなの簡単だ!」

デボラは水を出すのは問題ない。だが桶に溜まった水を持ち上げようとすると…ぼしゃん。

「何でー!?」

「その制御が上手く出来ないから練習してるんでしょ。頑張って」

クロちゃんとデボラには同じ調子で練習を促しているんだが、横で聞くジャッキーからすると言葉に乗っている温度の差が激しい。魔女の癖にこんな初歩の初歩の練習で躓いてんなよ、という呆れがこもっていた。

「そう言えば、ジャッキーは魔法の課題で練習する事があれば、ここでやって良いけど?」

「やあ、それは家庭教師の前でたっぷり練習してるからこんな時までやりたくないよ」

こんな時って、これは正に魔法の練習時間なんだが…

「クリスティンは魔法の練習は良いの?」

「私は呪文詠唱の魔力を感じるのも勉強だと思ってるから、アイスちゃんとクロちゃんの魔法を見ているだけでも勉強になるよ」

「わははは、我が魔力から多くを学べよ!地味子!」

「駄目なものから学ぶ事は出来ないわ。どうして駄目になるかを見ているのは勉強になるけど」

「私の事を駄目人間みたいに言うのは止めろーっ」

実際、駄目人間じゃない。魔法だけじゃなく。とクリスティンは思ったが、口に出すと煩いので黙っていた。

 多分水曜までは投稿を続けます。

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